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 2011年4月15日にAPNICのIPv4アドレス在庫が枯渇したいま、日本国内にはNTT東日本とNTT西日本(NTT東西)の次世代通信網(NTT-NGN)上で展開される「フレッツ 光ネクスト」をアクセス網として利用する二つのIPv6インターネットサービス方式が登場しようとしている。本講座では、その一つである「ネイティブ方式」を紹介する。今回は、ネイティブ方式のサービスを提供するネイティブ接続事業者(VNEと呼ばれることもある)の役割とサービス内容を紹介する。次回からは、VNEとフレッツ 光ネクスト、インターネットサービスプロバイダー(ISP)の関係などを整理していく。

世界のインターネット環境の変化

 世界のインターネット環境は変化を続けている。この変化を(1)パソコンなどの宅内および企業内端末、(2)インターネット上のコンテンツまたはそれを配信するサーバー、(3)ISPなどのネットワーク--という三つのカテゴリーからとらえてみたい(図1)。

図1●インターネット接続環境の変化<br>ここでは(1)宅内および企業内端末、(2)コンテンツまたはそれを配信するサーバー、(3)インターネットサービスプロバイダー(ISP)について最近の動向をまとめた。
図1●インターネット接続環境の変化
ここでは(1)宅内および企業内端末、(2)コンテンツまたはそれを配信するサーバー、(3)インターネットサービスプロバイダー(ISP)について最近の動向をまとめた。
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 パソコンなど昨今の宅内および企業内端末では、気付かぬうちにIPv6対応が進んでいる。Windows Vista/7などのパソコンやiPhoneなどのスマートフォンは、既にIPv4とIPv6の両方に対応するデュアルスタック化がされている。それらを家庭内のLANに接続すると、IPv6またはIPv4のどちらかを自動的に選択して通信できる仕組みになっている。一方、古いOSを搭載したパソコンやプリンター、ゲーム機など、多くの機器はIPv4のみの対応となっている。宅内および企業では、IPv4の環境も引き続き必須の状況である。

 コンテンツ事業者の変化の特徴は、米グーグルや米フェイスブックなど海外の大手コンテンツ事業者がIPv6対応を始めていることである。従来の多くのコンテンツ事業者は、国内外のISPやデータセンターにIPv4で接続していた。日本のエンドユーザーが海外のコンテンツに接続するためには、国内外のIPv4 ISPを経由していた。しかし、大手コンテンツ事業者には、直接日本のISPとIPv4とIPv6の両方で接続するケースが目立ってきている。従って、エンドユーザーを収容するISPがIPv6対応を行えば、エンドユーザーはこれらの先進的なコンテンツ事業者とIPv6で通信できる環境が整い始める。

 ISPはこれまで、必ずしも全設備においてIPv6対応の準備を進めてきたわけではない。設備投資を必要とするためだ。しかしIPv4アドレスの枯渇が現実のこととなり、ISP各社はIPv6対応を加速せざるを得ない状況になった。ISPは、IPv4アドレス枯渇の課題に加え、後述する外部環境の変化をとらえ事業領域の見直しを進めようとしている。以下では、国内にフォーカスしてISPで何が起こっているかを考えていく。