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by Gartner
イェフィム・ナティス VP兼最上級アナリスト
飯島 公彦 リサーチVP

 2011年、クラウドに特化したベンダーだけでなく、あらゆる大手エンタープライズ・ソフトウエア・ベンダーが、PaaS(プラットフーム・アズ・ア・サービス)を発表する──。ガートナーは、こう予測している。

 PaaSは、従来のシステムにおける「ミドルウエア」に相当する存在だ。アプリケーション実行環境やアプリケーション開発ツール、データベース管理システム、システム連携基盤、ポータル、ビジネスプロセス管理といった機能をサービスとして提供する。

 2011年現在、市場には様々な種類のPaaSが存在する。これらは2013年までに、利用パターンに応じた「PaaSスイート」に統合される。ガートナーは、「aPaaS」「iPaaS」という二つの主要なPaaSスイートと、それらを補う三つの専門的なPaaSスイートが登場すると予測している。

●aPaaS(アプリケーションPaaS)
 aPaaSは、ユーザーが開発した個々のアプリケーションサービスとデータをホスティングし、管理するプラットフォームである。アプリケーションをマルチテナントで最適に実行するための実行環境や、インメモリーデータベース、メタデータ管理などをサービスとして提供する。

●iPaaS(統合PaaS)
 iPaaSは、aPaaSがホスティングし管理するアプリケーションを、連携し統合するプラットフォームである。iPaaSは、オンプレミス(ユーザー企業内)環境やパブリッククラウドなど複数のロケーションに配置されたアプリーションサービスを連携できるように、システム連携基盤やセキュリティ、アプリケーションとデータの統合、ビジネスプロセスを連携するオーケストレーション、データの流れをつかさどるフロー管理といった機能をサービスとして提供する。

 iPaaSは主としてパブリッククラウドとして提供される。それと同時に、iPaaSのテクノロジー基盤であるクラウド対応統合プラットフォームは、プライベートクラウドやコミュニティークラウドの構築に使えるように「パッケージ製品」としても販売される。

●kPaaS(ナレッジPaaS)
 kPaaSは、広範なデータソースから様々なフォーマットのデータを収集/分析するためのプラットフォームで、ビジネスインテリジェンス(BI)、複合データ処理、コンテンツ管理/分析、コンテキスト(文脈)アウェア分析(関連記事:「文脈を理解した処理」の台頭)、データ統合、マスターデータ管理といった機能をサービスとして提供する。

●uxPaaS(ユーザーエクスペリエンスPaaS)
 uxPaaSは、マルチデバイスに対応したユーザーアプリケーションを実現するためのプラットフォームである。

●dPaaS(データPaaS)
 dPaaSは、データをホスティングしたり提供したりするためのプラットフォームである。

 2015年までに、これら複数のPaaSスイートを包括したPaaSを提供する巨大PaaSプロバイダーが登場する。さらに2015年には、包括的PaaSを提供する3~4社のベンダーが、PaaS市場の50%以上を支配し、残りは地域や業種に特化した多数のPaaSスイート専門業者が占めると予測する。