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 IFRS(国際会計基準)は強制適用の有無や時期が明確になっていないだけでなく、構成する基準の変更が相次いでいる。これが余計に対応を難しくしている。

 だったら、できるところまでプロジェクトを進め、後は強制適用や基準の変更に関する詳細が決まるまで待つというやり方もある。この方針を採っているのが地銀大手の千葉銀行だ。

 千葉銀行はIFRS対応の作業について、2011年9月が一つの区切りと考えている。10年4月から、経理・財務部門に当たる経営企画部主計グループで情報収集を始めた。11年2月に関係部署を巻き込んだチームを発足、11年3月末まで影響分析を進めている。分析の結果を9月までにまとめる予定だ。

 ここまで実施したところで、プロジェクトを一時中断する。その後はIFRSの動向を見極めて、詳細が決まった段階でプロジェクトを再開する計画だ(図1)。

図1●千葉銀行のIFRS対応プロジェクトの計画
図1●千葉銀行のIFRS対応プロジェクトの計画
現状で可能な範囲の作業を進める
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 「IFRS対応は無駄な期間を作らずに、効率よく進めたい。強制適用や基準の変更の詳細が決まった段階で、すぐに業務改革やシステムの修整に着手できるよう準備しておく」と、経営企画部の福島一嘉担当部長は話す。

 千葉銀行ができるだけIFRS対応を効率よく進めたいと考えているのは、対応するメリットが必ずしも大きいわけではないと捉えているからだ。

 千葉銀行の外国人株主比率は現状で約20%で、地銀としては高い。一方で事業は千葉県をはじめ国内が中心。海外の投資家にとって有益である、グローバルで会計基準を統一できる、といったIFRSでよく言われるメリットを慌てて追求する必要はなかった。福島担当部長は、「IFRSの強制適用がなかった場合は、任意適用する予定はない」と語る。