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 東日本大震災の発生を受け、BCP(事業継続計画)の観点から情報システムを点検・見直しする企業が多いだろう。そこに利用できる技術はいろいろあるが、今ならば、仮想化技術を前提とした対策も検討してみてはどうだろうか。

 BCP対策でまず考えなければならないのはデータやアプリケーションのバックアップである(遠隔地にバックアップをとることも含む)。その点、仮想化技術には、BCPに向く特徴がいくつかある。(1)仮想マシンを丸ごとバックアップできる、(2)ライブマイグレーションで仮想マシンを他の物理マシンに移動させる可搬性がある、(3)仮想化環境ではクラスタ構成も組みやすい――などだ。これらの組み合わせで、多様な対策案が考えられるだろう。

 とはいえ、実際の仮想化環境のストレージについて、注意すべき点や解決すべき課題がある。これらを踏まえたうえで適切なストレージと構成を検討してほしい。

仮想化環境で生じるストレージの課題

 まず考えてほしいのは、仮想化でシステムが統合されることで、ストレージに集約されるデータ量が確実に増加する(ように見える)ことだ。もちろん突然データが増加するわけではない。仮想化する前は各物理マシンのローカルディスクなどにデータが格納されていたが、仮想化によって1つのストレージ環境に集約され、全体のデータ量が増えたように見えるのだ。

 データが見えるようになると、これまでなおざりにしていたシステムまでバックアップ対象となってくることにも注意してほしい。これらのシステムは仮想化された後、統合バックアップの対象としてリストアップされ、バックアップの総容量を押し上げることになる。

 また、仮想マシンの特徴として、簡単に新しい仮想マシンが作れる点もデータ量の増加を加速させる要因となっている。必要に応じて気楽に仮想マシンが作れるので、その分だけOSやアプリケーションが占める容量が増加していく。

 ここで注意すべきなのは、バックアップすべきストレージ上のデータが大きくなると、バックアップ時間が決められた時間内に収まらなくなる場合があることだ。また、障害発生時の目標リカバリータイム(Recovery Time Objective)をどの程度に設定するかも重要な問題となる。

ストレージ障害の影響が広範囲に及びやすい

 仮想化環境に特有の課題としては、ストレージの可用性や耐障害性に関するものもある。ストレージに障害が発生した場合、仮想化/統合されていなければ障害範囲は限定的だが、仮想化環境でのストレージ障害ではリソースを共有する範囲で影響が広く及ぶ可能性がある。

 リカバリーも同様だ。仮想マシンレベルでの論理障害ならば個別のリカバリーで済むが、ストレージ全体となると影響も広範囲に渡り、リカバリーにも長時間かかることになる。ストレージ機器を冗長構成としてストレージ全体の耐障害性を高めるだけでなく、高速なバックアップ・リカバリーの手段を用意したり、リカバリー不要なバックアップを検討したりしなければならない。