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 過去3回にわたり、グリーン・グリッドの経験や、先進企業の事例を中心として、具体的な省エネ手法を紹介してきた。緊急避難的にそれらの手法を検討することは必要だろう。しかし、今本当にやらなければいけないことは、会社としての資源効率改善の長期戦略の作成である。

 場当たり的な改善活動は、すぐに息詰まる。効率度合いを“見える化”し、きちんとした現状分析に立脚した処置でなければ、効果も限定的、あるいはまったく効果を得られない可能性もある。最終回となる今回は、エネルギー効率の高いデータセンターを作るための中長期的な道のりについて考えてみる。

 データセンターのエネルギー効率改善を成功させるために必要な要素は、『指標を使った効率の「見える化」』や『会社としての戦略目標』など、大きく6項目が挙げられる(表1)。これらの要素について、詳細を見ながら、中長期的な改善の道のりを考察してみよう。

表1●効率改善を成功させるために必要な要素
エネルギー効率改善を成功させる要素
指標を使った効率の「見える化」
会社としての戦略目標
現状分析に基づく改善計画
組織横断的な活動
地道でまじめな改善努力
評価

指標を活用し、徹底的に継続的に“見える化”

 「見えないものは改善できない」。これは基本的な考え方だ。改善度合いを把握するための定量的な指標の導入は不可欠である。まずは、データセンター施設のエネルギー効率を示すPUE指標を取り入れ、現状の効率の把握、改善活動による効果の継続的な把握、状況が変化した際の分析対応などに活用すべきだ(PUEについては、第1回を参照)。

 また、IT機器の電力あたりの生産性情報も重要である。前回はIT機器による省エネを紹介したが、電力あたりの性能を見える化することにより、総合的な対策を立案できるようになる。

 このように、現状効率を見える化することによって、経営者から改善へのコミットメントをとることも可能になるし、関係部門からの支援が得られるようになる。グリーン・グリッド・データセンター・アワードを受賞した日立製作所や富士通など、改善に成功してきている企業に共通して言えることは、現状の徹底的な見える化と、そこから分析される課題の抽出と分析による改善計画作成をしている点だ。改善は、見える化があってこそ初めて取り組むことができるのである。