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 前回と前々回は、「三つの没有」(メイヨウ)に要注意というテーマを取り上げました。今回は、その「三つの没有」を逆手にとって信頼できる中国人を探し出し、中国人を見極める「実践テクニック」を紹介します。それは相手の「仮説力」をチェックするという方法です。

 「没有問題」を口癖のように連発する中国人は要注意です。もしも、そんな中国人に出会ったら、こんな質問をしてみましょう。「わかりました。問題はないんですね。それでも、もし問題が生じるとすれば、どんな問題が起こり得ると思いますか?」という問いかけです。つまり、ちょっとだけ先回りして、彼が「仮説力」を持っているかどうかを日本側から働きかけてチェックするわけです。

 筆者の経験では、対応は大きく3パターンに分かれます。第一に、「問題ないと言っているじゃないですか。本当に問題ありませんよ」とさらっと言い切るパターン。これは、問題点に気付いてないか、自ら問題点を探し出そうとする意欲がないか、いずれにしても注意が必要です。

 第二が、「私のことが信用できないんですか」と逆切れ(?)するパターン。本当は問題があるのに彼は「その問題がまだ深刻ではない」と思っているか、または問題を隠そうとしているのかもしれません。このチェックも必要ですが、必要以上に突っ込むと彼の「面子」をつぶすことになります。彼との付き合いはほどほどにしておいたほうがいいでしょう。パートナーとしては距離をおきたいところです。

 三つ目のパターンは、「そうですね。もし問題が起こるとすれば・・・」という問いかけにきちんと答えてくれる中国人です。起こり得る問題の可能性を考えて、仮説を立て、それを話してくれる中国人は、ぜひパートナーとして大切にしたいところです。上手に仮説を引き出し、意見交換ができる関係になれると最高のパートナーとなります。

 「仮説力」をチェックすることで、相手の仕事に対する姿勢やビジネスセンスをチェックできます。今後、ビジネスを順調に進めることができるか、トラブルを未然に察知し、効果的な対策をいっしょに考えていくことができるか、彼のスタンスに大きく左右されます。仮説力のチェックはビジネスパートナーとして相応しい相手かどうかを見極めるポイントになります。

 「もし、問題が起こるとすれば、どんな問題が考えられる?」というひと言をビジネスの中でぜひ実践してみてください。そして、皆さん自身のほうも「中国人を見極めるアンテナ」を磨く努力を心がけることが大切です。

吉村 章
Taipei Computer Association(TCA) 東京事務所 駐日代表
NPO法人アジアITビジネス研究会 理事
日本企業の中国進出や技術アライアンス、ビジネスマッチングのサポートが主な業務。アジア最大のコンピュータトレードショウであるCOMPUTEX TAIPEIの主催機関に在籍し、PCや通信分野などIT分野での台湾からの製品調達など支援も行う。著書に「中国人とうまくつきあう実践テクニック」(総合法令出版)。「中国ビジネスヘッドライン」、「中国人とうまくつきあうテクニック」公式ブログ脱線モード/ホンネモードのプライベートブログなどでコラム執筆中/毎週土曜日