PR

 リモートデスクトップサービス(旧ターミナルサービス)は、Windows Serverの中でも歴史が長く、成熟したテクノロジと言えます。このテクノロジが初めて登場したのは、Windows NT Server 4.0, Terminal Server Edition(日本語版は1998年9月25日に発売開始)で、当時、Windows CEベースの専用クライアントデバイスであるWindows-Based Terminal(WTS)と組み合わせたシンクライアントソリューションが注目されました。

 Windows NT Server 4.0, Terminal Server Edition(図1)に実装されたマルチユーザー機能は、その後、Windows 2000 Serverに標準搭載され、Windows Server 2003、Windows Server 2008、そしてWindows Server 2008 R2(図2)と、性能改善と機能強化が行われました。シングルユーザーのリモート接続機能は、Windows XP Professional以降のデスクトップOSにもリモートデスクトップ接続機能として搭載されるようになりました。

図1●Windows NT Server 4.0, Terminal Server Editionのデスクトップ画面。表示色は最大256色、解像度は1024×768まで
図1●Windows NT Server 4.0, Terminal Server Editionのデスクトップ画面。表示色は最大256色、解像度は1024×768まで
[画像のクリックで拡大表示]
図2●Windows Server 2008 R2のリモートデスクトップサービス。Windows Aeroテーマやフリップ3Dなど、Windows 7が備えるエクスペリエンス機能を利用できる
図2●Windows Server 2008 R2のリモートデスクトップサービス。Windows Aeroテーマやフリップ3Dなど、Windows 7が備えるエクスペリエンス機能を利用できる
[画像のクリックで拡大表示]

RDPプロトコルの進化

 リモートデスクトップサービスでは、TCPポート3389を使用する「リモートデスクトッププロトコル(Remote Desktop Protocol:RDP)」というTCPプロトコルが使用されます。リモートデスクトップサービスの各種機能を利用するためには、このRDPに対応したクライアントコンポーネントが必要です。Windows XP以降は、RDPに対応した[リモートデスクトップ接続](mstsc.exe)がOSに標準搭載されています。

 利用可能なリモートデスクトップサービスの機能は、RDPのバージョンで決まります。これまでの、RDPのバージョンと各バージョンの主な新機能を見ていきましょう。RDPのバージョン番号が、OSのバージョン(NTカーネルのバージョン番号)と一致していることにも注目してください。RDPがOSと一体となった重要なコンポーネントであることがわかります。

  • RDP 4.0:Windows NT Server 4.0, Terminal Server Editionとともに提供された最初のRDPバージョン。最大表示色は256色、最大解像度は1024×768ドット。
  • RDP 5.0:Windows 2000 Serverに実装されたバージョン。プリンターのリダイレクト機能の追加と、ネットワーク帯域幅の改善。128ビット暗号化のサポート。
  • RDP 5.1:Windows XPに実装されたバージョン。オーディオのリダイレクト(再生のみ)、ローカルドライブへのアクセス、スマートカード認証、クリップボード共有機能の追加。24ビットカラー(True Color)と、最大解像度1600×1200に対応。
  • RDP 5.2:Windows Server 2003に実装されたバージョン。切断されたセッションの再接続機能、ユーザーセッションのリモート制御機能、グループポリシーによる管理機能を追加。ファーム構成(セッションディレクトリ)に対応。
  • RDP 6.0:Windows Vistaに実装されたバージョン。32ビットカラー(HighColor)、マルチモニター(同一解像度)など表示機能を強化。
  • RDP 6.1:Windows Server 2008、Windows Vista SP1、およびWindows XP Professional SP3に実装されたバージョン。ネットワークレベル認証(Network Level Authentication:NLA)とサーバー認証による認証機能の強化、ローカルのプラグアンドプレイ(PnP)デバイスのサポート、TSゲートウェイ、TS EasyPrint、TS RemoteAppへの対応。認証機能の強化については、後述します。
  • RDP 7.0:Windows Server 2008 R2およびWindows 7に実装されたバージョン。Aeroグラスのサポート、マルチメディアのリダイレクト、マルチモニターのサポート強化、双方向オーディオ、言語バーのドッキング、VDI仮想デスクトップへの接続、RD WebアクセスのWeb SSOなど、大幅な機能強化。各機能の詳細については、後述します。
  • RDP 7.1:Windows Server 2008 R2 SP1およびWindows 7SP1に実装されたバージョン。VDIシナリオにおけるRemoteFX 3DビデオアダプターとRemoteFX USBデバイスリダイレクトに対応。RDセッションホストにおけるRemoteFXハードウェア圧縮に対応。