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 インドのIT市場の規模は米国と比肩するほど大きい。インド通信情報技術省情報技術部のレポートによると、2010年のインドのIT市場の規模は実績で731億ドル(約5兆9000億円)。2009年と比較して5%の伸びだった。米国の2009年実績は694億ドル(約5兆6000億円)。年度が違うので単純比較はできないが、インドのIT市場は米国とほぼ同等といえる(図1)。

図1●インドのIT市場規模<br>12億人と巨大な人口を抱えるインドのIT市場は、米国と同等の規模を誇る
図1●インドのIT市場規模
12億人と巨大な人口を抱えるインドのIT市場は、米国と同等の規模を誇る
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 ここで言う「IT市場」は一般消費者向けも含めたハードやソフトと、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)の合計である。ハード販売やソフト開発、システム構築だけでなく、半導体や電子商取引、教育サービスなどを含む。

 輸出やオフショアを除いたインド国内の需要は、前年比9%増の140億ドル(約1兆1000億円)である。同様の指標で米国の2009年の市場規模を見ると128億ドル(約1兆円)。国内需要だけで見てもインドのIT市場は米国と同等になっている。

 インドの人口は12億人と、米国の4倍以上である点には注目すべきだ。インドの国土は米国の3分の1以下で、単純に人口とIT市場規模が比例するわけではないが、依然として成長の余地を大きく残した状態にあると筆者は考えている。

 筆者の見解としては、ITインフラへの投資のフェーズが、インドと先進国で異なる。欧米や日本などの先進国は、光ケーブルの敷設などITインフラへの投資は一通り完了している。最もコストのかかる初期フェーズを終え、現在はメンテナンスが中心のフェーズに入っている。

 ところがインドでは、現在がまさに初期フェーズ。通信インフラに投資する段階にある。そのため、先進国に比べると通信環境は劣悪である。今後、投資が進むほど通信環境が改善され、IT市場の伸びも大きくなりそうだ。