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写真1●ブイキューブが中国で販売しているWeb会議システム
写真1●ブイキューブが中国で販売しているWeb会議システム

 「形のないモノやサービスは売りにくい」。ブイキューブの間下直晃社長兼CEOは、中国市場開拓の難しさをこう語る。同社のWeb会議システム「V-CUBE」は、国内ではクラウドサービスとして提供している。ところが中国では、モノとして見せられる商品でないため、そのままでは「仕組みを説明しても、怪しまれるだけ」(間下社長)なのだ。

 では、どうしたのか。ブイキューブが採った戦略は、クラウドサービスをハードウエアとして売る方法だ。Web会議システムにアクセスするソフトを組み込んだ専用端末を、中国向けに独自に開発した(写真1)。「形があることで、それが何かがひと目で分かる。実際にモノがあるので、対価を支払ってくれる」と間下社長は説明する。

 ハードとして売るという作戦は、中国IT業界の有力企業であるシネックスとの提携にもつながった(写真2)。2011年4月時点で、現地企業100社の受注が決まった。この勢いにのって、5年後には約5000社の現地企業をアジア市場で獲得する計画だ。

写真2●北京で2011年1月に実施した、ブイキューブとシネックスの提携会見の様子
写真2●北京で2011年1月に実施した、ブイキューブとシネックスの提携会見の様子

万能よりも単機能

 ひと目で分からないものが売れないということは、パッケージソフトにも通じる。「何ができるかを、ひと言で説明できないと取り合ってくれない」と強調するのは、NTTデータイントラマートの和田誠取締役である。

 同社のWebシステムの基盤ソフト「intra-mart」は、あらかじめ用意してあるソフト部品を組み合わせ、様々な用途のシステムを開発できる点が特徴だ。しかし中国では、様々なシステムが作れるという万能性は、「差異化を訴求するポイントにならない」(同)という。何ができるのかが、ひと言で説明できないからだ。

 そこで同社が採った方法が、「基盤ソフトとして売らない」ことだ。万能であることはあえて訴求せず、「ワークフローソフト」や「グループウエアソフト」といった単機能のソフトのようにソリューションを提示するようにした。これらソリューションは、現地の販売代理店と共同開発した。

 結果は上々だ。内モンゴル地区の地方銀行から受注するなど、現地企業の顧客を着実につかみ始めた。同社は販売代理店を増やすのと並行して、ソリューションの種類も増やしていく考えだ。