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 作業のし忘れを防止したり、作業に対する協力を取り付けたりするには、メンバーやユーザーと情報を共有する工夫を凝らすことが大切になる。相手に応じた工夫のポイントに注意して、見える化の効果を得よう。

 早稲田大学ビジネススクールの遠藤功教授が指摘(PART3)しているように、現場の状況をPMだけが見ている状態では見える化の効果は得られない。大切なのはプロジェクトに関わるメンバーやユーザーに見えるようにすることだ。

 そこでPART4では、プロジェクトの状況をメンバーやユーザーと共有する方法を取り上げる。メンバーと共有するポイントは、プロジェクトルームにいるメンバーの目に自然と入ってくるようにすること。ユーザーと共有するときのポイントは、ユーザーに分かりやすいように情報を加工することである。以下では、メンバー、ユーザーの順に、現場の工夫を見ていこう。

メンバーとの共有
紙を現場に張り出す

図1●プロジェクトルームの壁に紙を張り出して見える化した例<br>ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズの望月秀明氏の現場では、大判の紙にToDoリスト、課題一覧、課題の詳細などを書いて張り出している。やるべきタスクの漏れや取り組みのし忘れを防ぐのに役立っている
図1●プロジェクトルームの壁に紙を張り出して見える化した例
ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズの望月秀明氏の現場では、大判の紙にToDoリスト、課題一覧、課題の詳細などを書いて張り出している。やるべきタスクの漏れや取り組みのし忘れを防ぐのに役立っている
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 プロジェクト内で効率的に情報共有を図っている現場では、大判(A1~A2サイズ)の紙やホワイトボードを活用している。

 ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズの望月秀明氏(シニアコンサルタント)は、PMとしてプロジェクトに参画するときには、「ToDoリスト」「現場で直面している課題の一覧」といった情報を大判の紙に書き出し、プロジェクトルームの壁に張り出している(図1)。「ToDoリストなどを常に目にすることで、タスクのし忘れが防げるようになった」(望月氏)という。

 望月氏はメンバーと会議をする際、ToDoリストや課題一覧などの紙を持って会議室に移動し、その紙を張り出してから会議を始める。そして、新しい課題や進捗状況をその場で紙に書き足していく。「同じ紙をプロジェクトルームに張り出すので、最新のプロジェクトの状況が手間なく見える化できる。そこに担当者や終了期限を書き加えれば、作業を終わらせる動機付けにもなる」と望月氏は話す。

 また、「必要に応じて張り出す紙を足すことで、手軽に見える化できるのもメリットだ」(望月氏)という。例えば、紙に課題を一覧形式で書き出した場合、課題の内容が複雑なものは、その詳細を別の紙に書き出す。ToDoリストも、1日でこなすべきタスクが多い場合には、新しい紙を用意して、その日専用のToDoリストを作成し、見える化している。