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 IT業界でプロとして活躍するには何が必要か。ダメな“システム屋”にならないためにはどうするべきか。“システム屋”歴30年を自任する筆者が経験者の立場から、ダメな“システム屋”の行動様式を辛口で指摘しつつ、そこからの脱却法を分かりやすく解説する。(毎週月曜日更新、編集:日経情報ストラテジー

海外出張について話す“システム屋”たち
ダメな“システム屋”の会話 ダメな“システム屋”A 「この前の米国出張、どうだった?」
ダメな“システム屋”B 「いやー、最高だったよ。専務と一緒だったからな。VIP待遇だよ」
ダメA 「いいよな。食事も全部高級レストランだろ?クルマも高級車だよな?」
ダメB 「まあな。でも、お前も去年行ったじゃないか」
ダメA 「あれは新規事業アイデアコンテストの賞品だから。モーテルみたいなレベルの安宿だったし、食事もファミリーレストランのようだったし」
ダメB 「でも、ユニバーサルスタジオとか行って、満喫できたんじゃないの?」
ダメA 「それはそうだけど、VIP待遇には程遠かったよ。ところで米国出張の時、仕事の方はどうだったの?提携先との折衝だったんだろ」
ダメB 「折衝と言っても、既にほとんどまとまっている話の調印セレモニーに近かったからね。想定外のことは起きないし、通訳も業界事情に明るい人が付いてくれて、何の不自由もなかったよ」
ダメA 「あと、新技術を調査するために、ベンチャー企業を視察しに行ったんじゃ?」
ダメB 「ああ、あれね。専務はITベンチャー企業ってあまり好きじゃないから、あまりやる気が出なかったよ。向こうは駆け出しの若者たちで、早口でまくし立てるし、落ち着きがないし。最後には、先方の若者もなんか説明する気が失せてしまったみたいだ」
ダメA 「なんだ、単なる時間潰しみたいなものか」
ダメB 「まあな。わざわざ海外にまで行ったんだから、ついでに用事を入れないと『1泊2日で帰って来い』と言われかねないし」
ダメA 「そうだな。それにしてもいいよな、大名旅行は」
ダメB 「なかなかチャンスがないから、たまにはぜいたくさせてもらわないとな」
ダメA 「福利厚生みたいなものだよな。でも報告書はしっかり書くんだろ?」
ダメB 「当たり前だろ!また海外に連れて行ってもらうためには、もっともらしい報告書を書くことが一番重要なんだから」

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ダメな理由:大名行列の一員になるのは無意味

 一昔前に「海外出張」といえば、頑張った社員に対する褒賞や福利厚生の意味合いを含んでいることが多かったかもしれません。経費節減が徹底されるようになった今時は、さすがに上のエピソードのような出張は減ったことでしょう。一方で、米国のITベンチャー企業の人からこんな話を聞いたことがあります。「日本からの来客は、中東の王室ご一行のようだ」と。

 同じ“システム屋”であっても、その企業の置かれた状況や自分の担当分野によって頻繁に海外出張する機会がある人もいれば、全くチャンスが来ないという人もいます。チャンスがあっても、大名行列の1人として加わるだけでは、得るものは少ないでしょう。

 私は自ら動いて、単身で海外出張することを薦めたいと思います。

 こんな偉そうなことを言っている私自身、実は人生初の海外は39歳の時でした。個人的な旅行を含めて、生まれてから39年間、海外の地を踏んだことがなかったのです。私は危機感を抱きました。「このままでは内弁慶ならぬ国内弁慶、ミスター・ドメスティックになってしまう」と焦りました。