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図●異なる携帯電話事業者の間で発生する「携帯接続料」
図●異なる携帯電話事業者の間で発生する「携帯接続料」
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 「携帯接続料」をめぐり、NTTドコモとソフトバンクモバイル(SBM)の争いが激化している。両社は一歩も引かぬ構えだ。

 携帯接続料とは、自社ネットワークへの着信に対して他の固定・携帯電話事業者から徴収する料金である()。毎年3月末までに合意して金額を精算することになっている。

 ところが、今年は6月になってもドコモとSBMが合意に至っていない。それどころか相手の設定した携帯接続料に納得がいかないとして、互いに総務省 電気通信事業紛争処理委員会にあっせんを申請するという異例の事態になっている。

SBMに、携帯接続料の算定根拠を開示せよと迫るドコモ

 あっせん申請を通して、NTTドコモは2010年度の携帯接続料を設定した根拠の開示をSBMに求めている。算定根拠が開示されればSBMの設定額が高いことが分かり、結果的に2010年度にSBMに支払う携帯接続料が大幅に減ると考えているためだ。SBMの携帯接続料は2009年度でNTTドコモの1.26倍、2010年度は1.46倍(いずれも区域内通信)になり、差が広がっている。NTTドコモはSBMが設定した携帯接続料を精算すると2010年度は支払い超過額が150億円になることを明かしている。

 一方のSBMは、「2009年度以前にNTTドコモへ支払った携帯接続料の中に営業コストが算入されており、その分は支払いすぎだから返還せよ」と主張する。返還を求める金額は非公開としている。NTTドコモが求めている算定根拠の開示については、「算定根拠を開示するが、開示先は第三者機関として携帯接続料の妥当性を検証してもらう紛争処理委員会のみ。ライバル企業であるNTTドコモへは開示しない」(ソフトバンクモバイル 常務執行役員 渉外本部 本部長 弓削哲也氏)と返答した。

ソフトバンクモバイルが携帯接続料を約25%値下げ

「SBMの携帯接続料が高い」とドコモが紛争処理委員会にあっせん申請

ソフトバンクが紛争処理委へあっせん申請、ドコモ携帯接続料で

逆に携帯接続料の返還要求、SBMがドコモと真っ向対立

制度改正議論に合わせたとの見方も

 NTTドコモは以前から、代表取締役社長の山田隆持氏が「あまりに接続料が違うキャリアがあるのは特異」と会見の場で発言するなど、SBMの設定する携帯接続料が高すぎると不満を示してきた。ただし「2007年度以降、携帯接続料についてSBMと合意には至っていないが、支払いはしてきた」(NTTドコモ 企画調整室長 古川浩司氏)というように、これまで紛争処理委員会に持ち込むという強硬手段に訴えたことはなかった。

 そのNTTドコモの態度が一変した背景には、監督官庁である総務省で「二種指定制度(第二種指定電気通信設備制度)」の見直し議論が始まったためだという見方がある。二種指定制度は端末シェアが25%以上の携帯電話事業者に課せられている規制で、携帯接続料の額と算定根拠を総務省に届け出ることが義務付けられている。