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Q1 マーケティングに活用できそうな最新のITツールは?
A1 現実の画像に文字や絵を重ねて表示する「AR」に注目

 iPhoneやアンドロイド携帯といったスマートフォンの登場により、現実の画像に文字や絵を重ねて表示する「AR(拡張現実)」を消費者が手軽に使えるようになってきた(図1)。「セカイカメラ」や「Layar」が、スマートフォンでARを利用するための専用ソフトの代表例だ。iPhoneやアンドロイド携帯の利用者ならばいずれも無料で入手できる。

図1●AR(拡張現実)を利用して駐車場の場所を確認した画面。駐車場のある方角に利用状況を表示した円が浮かぶ
図1●AR(拡張現実)を利用して駐車場の場所を確認した画面。駐車場のある方角に利用状況を表示した円が浮かぶ

 ARはこれまで、映画のキャンペーンなど期間限定の宣伝に取り入れることが多かった。だがスマートフォンの普及に伴い、恒常的なサービスとしてARを活用する企業が登場した。その1社が三井不動産販売だ。時間貸し駐車場事業「三井のリパーク」で2010年5月から、ARで駐車場の位置や混雑状況といった情報の提供を始めた。

目の前の風景に重ねて「空車」「満車」を案内

 Layarを利用して現実の風景を見ると、風景と重なって「空車」「混雑」「満車」といった文字が浮かんで見える。スマートフォンのGPS機能を利用し、空車の文字が浮かんでいる方向に空いている駐車場があることを示している。半径2kmから500mまで距離を変えて見られるため、目的地から遠くても駐車場のおおよその位置の見当がつけられる。スマートフォンに標準搭載されている地図情報と連動しており、目的の駐車場が決まったら地図と切り替えて道案内を見ることも可能だ。

 「駐車場を探すドライバーは、見つけやすいという視認性や、止めやすいといった利便性を求めている。これを補完するのがARを使ったサービスだ」。リパーク事業本部事業推進部事業推進グループの石原悠太氏はこう説明する。Layarを通じて大まかな方向を把握して目的地まで車を進め、詳細な駐車場情報は地図で確認するといった使用方法を想定している。

 ARで提供する情報は同社の駐車場管理システムと連携している。更新頻度は5分おきだ。一般的に運転手が駐車場を探すのに使うのはカーナビだが、「カーナビの場合はリアルタイムに利用状況を反映するのが難しい」(石原氏)という問題点があった。パソコンや携帯電話のウェブサイトでは5分おきに利用状況を提供していたが、運転中に見るのは難しかった。

 こうした問題点をARで克服した。実際の風景上から駐車場の方角が把握できるため、地図が苦手なドライバーでも方向をつかめるメリットがある。「時間貸し駐車場は他社との差異化が難しい。利便性の高いサービスを提供することで競争に打って出たい」と石原氏は強調する。

 サービスの開発はシステム開発会社のアットウェア(横浜市)が手がけた。同社が既に持っていたシステム基盤を利用することで、三井不動産販売は2週間の開発期間でARを利用したサービスを提供できた。一見難しそうなARも、一般企業が手軽に活用可能になってきた。