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 情報サービス産業協会(JISA)は2011年3月、受託開発を主業務とするIT企業に対するIFRS適用の影響をまとめた調査報告書を公表した。IFRSが受託開発の会計処理に与える影響を分析しているのが特徴だ。業界団体がこうした報告書を作成するのは珍しい。

 IFRS(国際会計基準)は会計処理の詳細を決めない原則主義を採っていることが特徴の一つだ。IFRSに対応するには、IFRSが提示する原則に基づいて企業ごとに会計規則を作成する必要がある。そのために、現在の会計基準(日本基準)とIFRSとの差異を分析して会計処理や業務への影響を把握しなければならない。

 実は、日本基準とIFRSとの差異や業務への影響は、業界ごとに共通するケースが少なくない。業種特有の影響を把握することで、IFRS対応の手間を軽減できる。

 こうした効果を狙ったのがJISAだ。受託開発を主業務とするIT企業に共通するIFRSの影響を分析し、報告書としてまとめた。2011年3月に「IFRSが情報サービス産業にもたらすインパクト」という名称で公表した。

 「これからIFRS対応を始める企業でプロジェクトを主導する経営企画部や経理部が、自社への影響を把握するために活用してほしい」とJISA企画調査部の田中岳彦氏は話す。JISAの会員企業に無償で1冊配布するほか、会員以外の企業には有償で販売している。

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表●基準別に見たIT企業への影響度
表●基準別に見たIT企業への影響度
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 報告書では、IFRS適用の影響を約150ページにわたり分析している。IFRSを構成する主要な基準ごとに日本基準とIFRSの考え方を比較。そのうえで、(1)会計処理、(2)業務プロセス、(3)社内システム、(4)ビジネスまたは経営管理の四つの項目ごとに影響の大きさや内容を示している。例えば、「収益認識」は四つの項目すべてで影響が大きい。「リース」は社内システム以外の項目で影響が大きいといった具合だ()。

 取り上げているのは収益認識やリースに加え、「有形固定資産」などIT企業に影響が大きい10の基準だ。「IT企業には影響が小さい『金融商品』などは除いた」(田中氏)という。