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 NTTデータは3年後の2014年にも、中国拠点のシステム技術者を現在の3倍強の1万人まで増やす。現地子会社などを通じて技術者を大量に確保する。中国で1万人の要員を確保するのは国内IT大手では初めてだ。増員に向け、年内にも内陸部に新拠点を1~2カ所設ける。

 NTTデータは中国をインドと並ぶ2大開発拠点と位置付ける。インドにはすでに9000人の技術者を抱え、要員数は2012年にも1万人を超す見通しだ。

中国拠点に新しい役割を持たせる

写真1●NTTデータチャイナの土橋謙 董事長
写真1●NTTデータチャイナの土橋謙 董事長

 「日本の顧客企業から受注したシステム開発をこなすだけでなく、新しい役割を持たせる」。NTTデータチャイナの土橋謙 董事長(写真1)は、中国の開発拠点の位置付けについて、こう強調する。

 新しい役割は二つある。NTTデータチャイナなどが中国企業から受注した開発案件をこなすのが一つ。もう一つは、NTTデータグループが欧米などで受注した、グローバル企業のアジア拠点における開発案件をこなすことだ。

 一つめについては、NTTデータのグループ会社が中国の地方銀行向けにインターネットバンキングサービスを手掛けており、こうしたサービスを支えるシステムの保守などに取り組む。

 二つめについても、実例が出始めている。最たる例は、独BMWの中国法人が使うシステムの開発だ。NTTデータが買収したBMWの元子会社、独サークエントを通じて獲得したものだ。

中国子会社を再編し欧米圏の案件を獲得

 NTTデータが中国拠点に新たな役割を持たせる直接の狙いは、グローバル展開を支える開発リソースを確保することにある。だがその裏には、「日本向けのオフショア開発だけを手掛けていては、賃金上昇の影響で、いずれ行き詰まってしまう」(土橋董事長)との危機感がある。

 中国拠点を「世界のソフト工場」にするために、NTTデータは今年12月、中国子会社を再編する。NTTデータチャイナと北京NTTデータ経営統合し、さらに無錫NTTデータを統合会社の子会社とする。これによって、「技術者の仕事の進め方や処遇などを統一する。案件に応じて技術者を融通しやすくもする」(土橋董事長)。

写真2●北京NTTデータの玉置政一総経理
写真2●北京NTTデータの玉置政一総経理

 NTTデータにとっての課題は、欧米企業の仕事を中国でこなす流れ、「英語-中国語」ラインの確立だ。ここを克服しないと、インドのような世界のソフト工場にはなれない。

 「仕事の標準化など、取り組む課題は少なくない」。北京NTTデータの玉置政一総経理(写真2)は打ち明ける。「中国企業向けの仕事とオフショア開発の仕事では、技術者に求められるスキルが異なる。優秀なオフショア開発技術者だからといって、中国企業にいい提案ができるとは限らない」(玉置総経理)。