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 「今日から私物解禁!」――。社員が自分で購入したスマートフォンやパソコン(PC)の業務利用を“正面切って”許す企業が相次いでいる。東日本大震災や電力危機をきっかけに、私物の情報端末で社内システムに接続し利用するメリットを認識。従来はセキュリティ面などへの不安から「私物禁止」か「私物黙認」としていた企業が、「私物解禁」に方針転換した。スマホやPCの私物解禁の動きを追う本連載の第1回は、ディー・エヌ・エー(DeNA)、アジア航測、ヒビノ、KDDI、コニカミノルタホールディングス、明豊ファシリティワークスの6社の事例を紹介する。

写真1●DeNAは2011年春から私物スマートフォンの業務利用を解禁
写真1●DeNAは2011年春から私物スマートフォンの業務利用を解禁
スマートフォンを手にする経営企画本部の秋山知之氏(左)と立石夕子氏。
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 「海外拠点とのコミュニケーションが格段に良くなった」。私物のスマートフォンを片手にこう語るのは、携帯電話向けソーシャルゲーム大手のDeNAで経営企画本部に在籍する秋山知之氏だ(写真1)。同社は2011年3月、スケジュール管理や電子メールといった情報系システムに限り、私物のスマートフォンからの利用を解禁した。

 「海外拠点とのやり取りが増えたことで、もはや会社にいるときだけ仕事をすればよい状況ではなくなった。私物が使えるようになったので、常にスマートフォンを二つ持ち歩く必要もない」と秋山氏は続ける。

私物スマホ解禁で情報共有を円滑に

 DeNAが私物のスマートフォンの利用を解禁したきっかけは、グループウエアなどの情報系システムを、クラウドサービスに移行したことだ。「いつでもどこからでも利用できることが、クラウドのメリット。端末や利用できる場所を制限してしまうと、そのメリットを封じ込めてしまう」と、情報システム統括本部情報システム部の中野雅仁部長は説明する。

 私物のスマートフォンの業務利用を解禁するにあたって、独自のセキュリティ対策も施した。ITベンダーと共同開発したID管理やログ管理サービスを経由して、クラウドサービスにログインする仕組みを作った。「だれが、いつ、何にアクセスしたのか」をシステム部門側で管理できる。常に監視することはしていないが、「何か問題があったときに、端末が私物であろうがなかろうが、すぐに対処できるようにした」(同)。

 私物利用の解禁は、この3月の東日本大震災でも功を奏した。実は当初、同社は4月から私物スマートフォンの利用を認める予定だったが、3月11日の震災直後に予定を早めて「解禁」した。出社できない状況でも、スムーズに国内外の拠点と情報を共有し、ビジネスを継続できたという。

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