各社のスマートフォンは、大型のタッチパネル液晶を据えたフラットな形状のボディーに、黒を中心とした落ち着いたカラーリングをまとったデザインがほとんど。「どの機種も見た目が変わり映えしない」との不満の声がよく聞かれる。スマートフォンに対するこのような認識を覆す「INFOBAR A01」がKDDI(au)のデザインブランド「iida」の新機種として発表され、注目を集めている。
デザインは、8年前に発売された初代「INFOBAR」と同じく、プロダクトデザイナーの深澤直人氏が手がけている。スマートフォンにとって重要なタッチインターフェースは、Webデザイナーの中村勇吾氏の手によるものだ。
見た目だけではない! 充実したスペックにも注目
端末のカラーバリエーションは4種類で、ビジネス色の強い既存のスマートフォンとは一線を画したポップな色合いが特徴だ。INFOBARシリーズのアイデンティティを示す、大型の押しやすいボタンも搭載する。今後、スマートフォンの主な購入層となるエンターテインメント性重視のエントリーユーザー層にとって、とても魅力的なデザインに仕上がっていると言えよう。
スペック面でも妥協はない。チップセットはQualcommの第2世代モデルのうち、高クロック版のMSM8655(1.4GHz)を採用。高解像度の3.7型QHD(960×540ドット)液晶と、LEDライト付きの805万画素CMOSカメラも搭載する。EZwebメールや赤外線通信、おサイフケータイのほか、制限付きながらワンセグにも対応しており、大半のユーザーが満足できる性能だ。
OSは最新のAndroid 2.3を搭載する。通信機能は下り最大9.2Mbps、上り最大5.5MbpsのWIN HIGH SPEED、Wi-Fi(IEEE802.11b/g/n)、ワンセグ、GSM、Bluetooth(3.0+EDR)、GPS、おサイフケータイ、赤外線通信に対応。端末サイズは118mm×63mm×11.8mm、重量は113gだ。
若干ながら、使い勝手で気になる部分も見受けられた。ヘッドホンやワンセグチューナーを利用するためには、本体のmicroUSB端子に接続するアンテナ兼用の変換アダプターが必要となる。わずらわしいと感じる人も多いだろう。
バッテリー容量が1020mAhとやや控えめなのも気になる。とはいえ、チップセットや設計の省電力化により、同じシャープの旧モデル「IS03」(連続通話時間230分・連続待受時間200時間)と比べ、連続通話時間330分/連続待受時間220時間と動作時間は向上している。