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ブランク氏が定義するスタートアップ企業とは、「ビジネスモデルを探し求める組織」である。「顧客開発」と「アジャイル開発」の手法を用いて、当初のモデルを繰り返し検証し、最適なモデルを追い求める。このため、ほとんどのスタートアップは、ビジネスモデルを何度も変更することになる。(ITpro)

 今回の投稿では、まずスタートアップ企業の存在意義を新たに定義することにします。スタートアップ企業とは、「繰り返しが可能で、拡張が可能なビジネスモデルを探し求める組織」です。

 それでは、「ビジネスモデル」とは何でしょうか。ビジネスモデルとは、企業がどのように価値を創造し、提供し、お金に換えるかを説明するものと言えます。ごく簡単に言ってしまえば、どうやって儲けるかということになるでしょう。成功を測る尺度によっては、顧客の獲得やWebへのアクセス数の向上などかもしれません。

 ビジネスモデルとは、企業の全部門の“フローチャート”だと考えてください。そのチャートは、会社の製品が顧客にどうやって送り届けられるのか、結果としてお金がどのように還元されるかを示します。さらに、原価がどれほどか、社内における複数の部門の相互関係、パートナー企業との相関がどうなっているのかを表します。文章で表現すると複雑に思われるかもしれませんが、図にしてみたほうが簡単に理解できるでしょう。

図1●アレクサンダー・オスタワルダー氏が作成したビジネスモデルのチェック図
図1●アレクサンダー・オスタワルダー氏が作成したビジネスモデルのチェック図
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 これまで多くの人が、ビジネスモデルを図で表現することを試みました。私は、過去数年に渡って学生に自身のビジネスモデルを図にしてもらいましたが、これまでに読んだ中ではアレクサンダー・オスタワルダー氏のビジネスモデルに関するものが最も明快です。図1は、同氏のビジネスモデルのテンプレートです。それぞれのスタートアップ企業のビジネスモデルについて、テンプレートの各所に企業固有の戦略を詳細に書き入れていきます。スタンフォード大学では、アン・ミウラ-コー氏と私が、これとよく似たシリコンバレー版のモデルを作成中です。彼女には、近々ビジネスモデルのブログを投稿してもらうことにしています。

 冒頭にも述べたように、スタートアップ企業とは、繰り返しが可能で拡張可能なビジネスモデルを探し求めている組織です。創業者が最初に策定すべきものとして、以下が挙げられます。

1) 特徴を備えた製品ビジョン

2) ビジネスモデルの各項目に関する仮説

 この仮説には、顧客は誰なのか、販売チャンネルをどうするか、商品価格はどれほどか、商品をどう位置付けるか、消費者の需要をどうやって喚起するか、誰とパートナー関係を結ぶのか、製品をどこでどのように製造するか、どうやって資金調達するか――などがあります。創業者の役割は、仮説のとおりに顧客が反応したかどうかを見極めて、その仮説が正しいかどうかを短期間に検証することです(図2)。ほとんどの場合、顧客が予想通り反応することはありません。

図2●「スタートアップ」から「企業」への移行
図2●「スタートアップ」から「企業」への移行