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2010年7月1~2日に開かれた総合研究所の社内向け「研究成果発表会」の展示風景
2010年7月1~2日に開かれた総合研究所の社内向け「研究成果発表会」の展示風景
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 2010年7月1~2日、カゴメの経営陣やマネジャー層の営業担当者、本社の商品企画担当者など約200人が栃木県那須塩原市の総合研究所に集まった(写真)。2004年から「新需要創造力指数」を掲げ、野菜ジュースや乳酸菌飲料、レトルト食品などの新製品を年に300近くも出すカゴメは年に1回、「研究成果発表会」という社外秘の発表会を開く。2010年で17回目を迎えた。

 2008年までは社外の会場で壇上からの発表会が中心だったが、2009年からは研究所内で120人以上の研究者たちが総出で2日間パネル展示をする開催形式に変更。営業担当者らはめいめいに興味を引かれるパネルを見つけては説明を受け、時にはその場で研究者たちと質疑応答も交わす。

 試作の食品のほか、苗の改良、栄養成分の効果効能、農薬の分析方法といった商品との結びつきが分かりにくい展示も多い。それでも「『聞いた人が各自の職場に帰ってからも、誰かにその話をしたくなるように、平易な言葉で説明しなさい』という心構えを皆が守れるようになってきた」と児玉弘仁・取締役執行役員総合研究所長は話す。

 「『どういう商品開発を考えて研究しているの』と尋ねると、数年前に比べてスムーズに答えてくれるようになってきた」(経営企画本部広報IR部広報グループの市川豪主任)と、社内の他部署もその姿勢を感じ取っている。自社の技術力に対する自信を持つことは、営業マネジャーたちにとってのモチベーションアップにもつながる。

所内の発表会や勉強会で自信持たせる

 児玉所長は2008年に就任した当初、研究員一人ひとりと面談し、「入社4年目ごろから、若手の研究員が悩み始める」ことに気づいた。「本社から『その商品のターゲットのセグメントは何?』と聞かれるとびびってしまうありさまだった。自分の研究の意義に自信を持てずに、モチベーションが上がるわけがない」(児玉所長)。

 そこで児玉所長は3カ月に1回、所内の研究発表会を開くことにした。1テーマにつき発表時間は20分間、ディスカッションは20分間とし、1日で10テーマ弱を発表してもらう。“日陰のテーマ”のつもりで発表したら技術顧問から称賛を浴びて大喜びしたこともある。

 児玉所長は自主参加で勉強会も開き、マイケル・ポーターやフィリップ・コトラーといった著名経営学者の本を読んでリポートを発表するなどの活動も1年ほど続けた。20数人が参加した。

 2009年11月には女子研究員らが発案して合宿を開催。アイドルグループの物まねが余興で披露され、児玉所長を驚かせた。人前での発表に積極的な風土への変化が確実に進んでいる。