PR

 世界中で20億人が利用しているインターネットが重要な産業分野の1つになったことを否定する人はいないだろう。そのメリットを享受しながら、いかにして経営を革新していくか。そこで問われるのが経営の品質である。

 経営品質協議会は「経営幹部のリーダーシップ」「顧客・市場の理解と対応」といった8つのカテゴリーからなる経営品質のフレームワーク(枠組み)を提示している。その中に「個人と組織の能力向上」というカテゴリーがあるように、社員のコミュニケーションの質や効率を高め、組織全体をスピーディーに動かすことは経営の品質に重要だ。そのためにネットワークは必要不可欠であり、シスコシステムズの役割も大きいと考えている。

経営品質のフレームワーク
経営品質のフレームワーク
[画像のクリックで拡大表示]

事業所を休止し在宅勤務 普段と変わらず業務を継続

シスコシステムズ 代表執行役員社長 平井 康文 氏
シスコシステムズ
代表執行役員社長
平井 康文 氏

 それでは、当社の体験を紹介したい。東日本大震災後、設備や機器などの点検が必要だったうえ、交通機関の混乱が予想されたため、当社は東京にある3つの事業所と仙台の事業所を2週間にわたってクローズし、在宅勤務に切り替えた。

 結論から言えば、この2週間まったく業務に支障はなかった。事業の継続を支えたのがネットワークである。社員は自宅やリモート環境から社内ネットワークに接続し、適宜コミュニケーションをとりながら通常通りに仕事をした。

 3・11後、当社には在宅勤務についてのお客様からの問い合わせが増えている。その際、よく聞かれる疑問点がある。セキュリティは大丈夫か、システムが複雑化して運用上の問題が生じるのではないか、リモート環境で仕事をする際、管理・監督責任はどうなるか、の3つだ。もっともな疑問だが、セキュリティを担保する技術、運用上の課題を克服する技術は進化している。管理・監督責任は、人事制度やツールなどにより解決できる。当社の実例はその証左だ。

 当社の社員のうち希望者はIPフォンと無線LANのアクセスポイントを自宅に設置できる。3・11後、オフィスにいるときと変わらない在宅勤務ができたのは、これらの当社製機器によるところが大きい。自宅がサテライトオフィスになり、在宅勤務の間、これらのインフラが活躍した。

 当社は「WebEx」というSaaS型のWeb会議サービスを提供しており、これも在宅環境やリモート環境で大きな力を発揮している。WebExを使えば通常のPCはもちろん、iPhoneやアンドロイド端末などのスマートフォン、iPadなどのタブレット端末からもWeb会議に参加することができる。

 競争環境が厳しくなるにつれ、企業は様々な課題に直面する。その中で、私が特に重要と考えているのは生産性の向上、効率性の追求によるコスト削減、ビジネスイノベーションの3つだ。どれにもクラウドがインパクトを与える。

 クラウドの最大の魅力は、クラウドのITリソースを活用することで、業務効率化を図れることだ。クラウドサービスには、生産性向上に役立つ多様なアプリケーションが存在する。インテリジェンスを持ち、セキュアで柔軟性の高いクラウドネットワーク上では、様々なビジネスイノベーションを促進できる。

 クラウド時代のネットワークは、状況に応じて最適なユーザーエクスペリエンスを提供する。例えば、WebExはユーザーの使うデバイスに最適化した形で、コンテンツを提供する仕組みを備えている。

机上の電話とPCは不要になり ネットワークがデスクトップに

 デスクトップ環境も進化しつつある。従来のデスクトップPC中心の環境では、搭載するアプリケーションの増加に対応しきれなくなっている。加えて、デスクトップ以外のデバイスが活躍する場面も増えた。このため、デスクトップをクラウドに移行する企業が増えている。一般的に言われる「VDI(Virtual Desktop Infrastructure)」で、当社ではデスクトップ以外のデバイスの仮想化を含めて「VXI(VirtualizationExperience Infrastructure)」と呼ぶ。

 VXIを採用すると、机上のビジネス電話とデスクトップPCは不要になる。OSやアプリケーションはクラウド上に移管し、ユーザーはVXIのクライアントとマウス、キーボードを操作する。電力はネットワーク経由で供給し、デスクトップPCと比べ消費電力は約40%削減できる。VXIにより、ネットワークはデスクトップそのものになる。

 クラウド時代には、セキュリティ確保の考え方も変わる。外部からの侵入を防ぐネットワークセキュリティ、コンテンツを制限するコンテンツセキュリティ、リモート環境向けのモバイルセキュリティにより、これまでセキュアな環境を維持してきた。今後、この3要素に加え、利用状況に応じたきめ細かな対策が必至だ。具体的には、ユーザー属性に応じアクセスできるコンテンツの制限などのポリシーをネットワーク側で設定するシチュエーション主導セキュリティにより、ユーザーの居場所やデバイスの種類に依存しないセキュリティの確保ができる。

 冒頭で説明した経営品質のフレームワークでは、7番目のカテゴリーに「情報マネジメント」を挙げる。ここで重要なのは「どんなITツールを揃えているか」ではなく、「情報を収集・分析して、次の戦略に生かしているか」だ。情報あるいは情報システムの活用こそが問われているといえる。

 同じことはクラウドにもいえる。その企業が何をしたいのかという目的が先であり、クラウドは単なる手段にすぎない。明確な目的を掲げ、そのためにクラウドやネットワークを活用するお客様を当社は様々なソリューションでサポートしていきたい。