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 FacebookをはじめとするSNSでは、ユーザーが今まさにいるその現場から、店や製品・サービスに対する個人の感想など、様々な情報をリアルタイムで発信する。スマートフォンの普及が、こうした動きを後押し、加速させる――。

 そうしたなかで企業は今、自らもソーシャル化して、もっと顧客や従業員とつながっていくことが求められるようになった。そうすることで顧客が何を感じているのかを即座に把握し、さらには次のビジネスの種を見つけることにつながるからだ。しかし、企業と個人の間には、ソーシャルへの取り組みの落差(ソーシャルデバイド)という大きな課題が横たわっている。

写真1●「ソーシャルエンタープライズ」について熱弁をふるう米セールスフォース・ドットコムのマーク・ベニオフCEO
写真1●「ソーシャルエンタープライズ」について熱弁をふるう米セールスフォース・ドットコムのマーク・ベニオフCEO
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 「企業にもソーシャル革命が起きている。だが、そこには“ソーシャルデバイド”が存在している。はたして企業は個人(顧客や従業員)とソーシャルなつながりを持っているのか」――。こう語るのは、米セールスフォース・ドットコム(以下セールスフォース) のマーク・ベニオフCEO(写真1)だ。

 同社は2011年8月末から9月にかけて米サンフランシスコで開催されたプライベートイベント「Dreamforce ’11」で、新たに「ソーシャルエンタープライズ」というコンセプトを打ち出し、「企業が顧客や従業員といった個人とソーシャルなつながりを持つこと」の重要性を訴えた。このことは同社のサービスにかかわりのある企業だけでなく、実はあらゆる企業に関係する。

 一般に企業は「法人」として、「個人」とともに社会活動を営む存在である。その一方の個人が活動の場をSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス、以下ソーシャルネットワーク)へと広げ、ソーシャルネットワークの中で現実世界とリンクしながら、多くのかかわりを持ちつつ、ある種の社会を築いている。

 企業にとって「個人」とは、顧客であったり、従業員であったりする。「個人」とのかかわりを持たない企業はあり得ない。すなわち現実社会で法人としてふるまっている企業は、ソーシャルネットワークによって築かれた“社会”においても、個人とかかわりを持つのが自然だ。その背景には切迫した状況がある。もはや「我々の会社はソーシャルネットワークとは関係ない」とは言ってはいられない事象が起きつつあるのだ。

 そこで今回から5回にわたり、企業がソーシャル化を実現するうえで乗り越えるべき課題や、ソーシャル化を支援するためのITサービス/製品の最新動向、ソーシャル化の具体的事例、識者の考えるソーシャル化の方向性などを紹介していく。今回と次回は、エンタープライズ向けソリューションの大手ベンダーの中でも最もソーシャル化に積極的な企業の1社であるセールスフォースが、Dreamforce ’11で明らかにしたその戦略を素材として、企業とソーシャルネットワークのかかわりとは具体的にどのようなものなのかを見ていこう。