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 ブランク氏は、スタートアップ企業と軍隊が「戦闘時の心構え」において似通っているという。いずれも直面する状況は急変し、当初の想定は役に立たなくなり、次に何をすべきかをすぐに決める必要がある。それができなければ、企業(軍隊)は消えゆくことになる。(ITpro)

 ドノバン・キャンベル氏がイラク湾岸戦争で海兵隊の小隊長として戦った、悲惨な戦闘を描いた驚愕の書籍「Joker One」を読み終えました。同書は、私が従軍したベトナム戦争に関する「Dispatches」と同じような、イラク戦争の本です。この2冊の本によって私は、徴兵制度がなぜ良いかということを再認識しました。

 キャンベル氏は書の中で、彼の小隊の兵士に対して、適切な「戦闘時の心構え」をどのように教え込もうとしたかを説明しています。

 私は、彼の言葉をスタートアップ企業向けに置き換えてみました。両者は驚くほど似通っています。

 そもそもスタートアップ企業は、カオス(無秩序)な状況にあります。創業者としては、独創的に、しかも外部からの影響を受けずに考えられるよう、覚悟を決めておく必要があります。ほとんどの場合、直面している事態は急に変化するので、当初に熟考して導き出したビジネスプランは、全く役に立たなくなるからです。

 もし、カオスと不確実性に対処できず、行動を決められず、他人から何をすべきかを言われるまで何もしないとすれば、投資家と競争相手がすべての決定権を握り、あなたのお金はなくなり、会社は破産するでしょう。

 企業を存続させる最善の方法は、すべての従業員に何が重要で何が重要でないかという判断力をたたき込んで、全員の成果を結集し、スタートアップ企業のカオスの中に知識による秩序の島を作ることです。

 スタートアップの全ての創業者は、カオスと不確実性の中にあって、自分がどれだけ気楽に事業を遂行できるかを、まず考えなければなりません。それは、あなたに向いていないことかもしれません。

2009年4月29日投稿、翻訳:山本雄洋、木村寛子)

スティーブ・ブランク
スティーブ・ブランク  シリコンバレーで8社のハイテク関連のスタートアップ企業に従事し、現在はカリフォルニア大学バークレー校やスタンフォード大学などの大学および大学院でアントレプレナーシップを教える。ここ数年は、顧客開発モデルに基づいたブログをほぼ毎週1回のペースで更新、多くの起業家やベンチャーキャピタリストの拠り所になっている。
 著書に、スタートアップ企業を構築するための「The Four Steps to the Epiphany」(邦題「アントレプレナーの教科書新規事業を成功させる4つのステップ」、2009年5月、翔泳社発行)がある。