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 第2回は、スマートフォン/タブレット用のアプリケーションプロセッサメーカーとしてシェアを伸ばしている米NVIDIA、OMAPシリーズの名称で以前から携帯電話に広く使われているアプリケーションプロセッサを開発する米Texsus Instruments(TI)のプロセッサロードマップを取り上げる。

NVIDIAのTegraはグラフィックスプロセッサの性能向上も加味

 米NVIDIAは、PC用の3次元グラフィックスチップのメーカーとして著名だが、最近では、タブレットやスマートフォン用のアプリケーションプロセッサメーカーとしてもシェアを伸ばしている。

 同社の製品は「Tegraシリーズ」と呼ばれ、2011年9月現在の製品は「Tegra2」である。NVIDIAは、今後4年の間にTegra2の100倍近い性能のプロセッサを開発する意向を示している(図1)。100倍といっても、CPU性能だけでなく、統合されるグラフィックスやメディア専用プロセッサなどの性能を加味したもので、CPUコア自体は、英ARMの「Cortex-Aシリーズ」を採用する。

図1●米NVIDIAは、毎年Tegraシリーズを更新していく予定
図1●米NVIDIAは、毎年Tegraシリーズを更新していく予定
2014年には、現在のTegra2の100倍近い総合性能(GPU性能などを含む)の「Stark」(コード名)を開発する予定。2011年は4コアの「Cortex-A9」を搭載し、GPUなどを強化して現在のTegra2の5倍の性能を持つ「Kal-El」(コード名)が登場する。
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 2011年中には、現在のTegra2の5倍程度の性能を持つ「Kal-El」(コード名)という製品を出荷する予定だ。このKal-Elは、Cortex-A9プロセッサコアを四つ搭載しており、単純計算でもTegra2(Cortex-A9コアが二つ)の2倍であり、グラフィックスプロセッサ(GPU)の性能を向上させることで、合わせて5倍の相対性能を実現するという。

図2●Tegra2は二つの「Cortex-A9」コアと制御用の「ARM7」コア(コントローラ)を搭載
図2●Tegra2は二つの「Cortex-A9」コアと制御用の「ARM7」コア(コントローラ)を搭載
静止画(Image)、ビデオ(HD Video)、音声(Audio)、2次元および3次元グラフィックス(2D/3D Graphics)用の専用プロセッサを搭載している。
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 Tegra2シリーズは、Cortex-A9のデュアルコアを内蔵し、メディア系のプロセッサや制御用のARMプロセッサを搭載している(図2)。Tegraシリーズの特徴は、高性能なグラフックスプロセッサにある。同社は以前よりPC用GPU開発の技術を使ったモバイル用のグラフックスプロセッサGoForceシリーズを開発している。

 グラフィックスプロセッサ機能は、今後のARM系アプリケーションプロセッサでキーになる機能だ。ところが、自社で3次元グラフィックスプロセッサを開発できるメーカーはNVIDIAの他は「Adernoシリーズ」を開発している米Qualcomm(第3回で解説)のみで、その他のメーカーは英ARMの「Maliシリーズ」、英Imagination Technologies Groupの「PowerVRシリーズ」のライセンスを受けて利用することになる。

 実際、後述する米Texas Instrumentsの「OMAPシリーズ」がこのPowerVRシリーズのライセンスを受けている。また5回目で解説するIntelの「Atomプロセッサ」のSCH(システムコントローラーハブ。チップセットの一つ)に組み込まれたグラフィックスコントローラーもPowerVRだという。