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 アプリタス(Applitus)は、ネオジャパンが提供するクラウドサービスの総称。グループウェア「desknet's」をはじめ、営業支援システム「desknet's SSS」、顧客管理システム「desknet's CAMS」、大容量データ送信システム「DAX」、社内ブログシステム「desknet's Blog」、社内SNSシステム「desknet's SNS」、経理ワークフロー「desknet's LiRaku」、稟議・日報システム「desknet's MMM」などdesknet’sシリーズが有名。他にも、企業内統合型メールシステム「Denbun」、スパムメール対策サービス「OptPlusASP」などがある。今に至る経緯を語る。(ITpro編集部)

 今でこそクラウドサービスのベンダーとして認知されいるネオジャパンですが、1992年の創業当時は受託開発を主に手掛けるソフトウエア会社でした。1999年に開始したアプリケーションパッケージの開発・販売事業によって大きな成長を遂げますが、ブロードバンドの普及によって次の展開を考えるようになります。

 折しも2000年前後には様々な業種、業界でASPサービスの提供が始まります。その多くは2004年頃にASPバブル崩壊と共に消えていきました。我々はまさにその頃、アプリケーションをサービスとして提供する新事業を立ち上げることを決め、プロジェクトをスタートしました。

 当時、この事業化をパートナー企業へ説明しに回った際は、皆一様に静観し、積極的にはかかわりたくないという反応でした。それでも我々は、今で言うクラウドのイメージが出来上がっており、むしろこのときのネガティブな反応こそが、新事業立上げに対する勇気とやる気を奮い立たせてくれました。

3年以内に事業の柱に

 新しい事業の創造には、目標とコンセプトが必要です。まずは中期の事業目標を定めました。「3年以内に事業の柱に育て、全社売上げの3分の1を稼ぐ」というものです。非常に高い目標です。全社員が意識し続けなければ達成できるものではありません。社員教育の中でもそのメッセージを訴えました。経営会議や部内ミーティングなどあらゆる場でテーマとして取り上げ、半年近くの間、繰り返し、共有の場を設けました。

 続いてコンセプトです。マネジャークラスを中心にプロジェクトチームを作り、3カ月をかけて議論しました。その結果、新事業のコンセプトの核は「オンデマンド型のアプリケーションサービスであること」「様々なアプリケーションや環境リソースの中から顧客が必要とするものを自由に選んでもらうこと」「完全月額課金制モデルにすること」に決めました。

 サービスの名称は、“アプリケーションを足して使う”という意味を込め、「アプリタス(Applitus)」と名付けました。そして「電気、ガス、水道、電話、そしてアプリタス(Applitus)!」というコンセプトを打ち出しました。電気、ガス、水道、電話などのライフラインを当たり前に利用するように、インターネットを通じて、様々な場所にあるアプリケーションを使って仕事をするイメージです。

 その実現に必要な条件を、皆で探っていきました。「一人当たり500円という利用料金」「要望に応じたリソース環境の速やかな提供」「仮想化環境を用いたリソースの最適化によるコスト低減」「顧客の環境とSaaSアプリケーションの連携」「他社アプリケーションとの連携」――。ざっと挙げればこのような要件が出され、それらを実現するための検討を重ねました。

 販売方法についても議論を重ねました。直販のみでこつこつ売るのではなく、間接販売を重視することにしました。販売パートナーとの役割やアライアンスモデルをフレームワーク化することで、サービスを開始した当初からアプリタスのOEM提供や共同ブランドを積極的に展開し、最短では1カ月でパートナー提供モデルを立ち上げた例も生まれました。これがけん引力となり、パートナーモデルがどんどん拡大していきました。

 2006年10月に開始したアプリタスは、初年度(2007年1月期)から事業単体で黒字化に成功し、翌年度からの3年間で当初の中期目標であった全社売上げの3分の1を達成することができました。

参加者が一人でもセミナーを開催

 アプリタスを開始した頃は、積極的な活用を検討する顧客がいる一方、インターネットを通じてアプリケーションを利用することに懐疑的だったり、不安視する顧客が多くいました。これに対しては個別セミナーを継続して行うことで、不安の解消に努めました。個別セミナーは一人の参加でも開催しました。

 一人ひとりに個別に対応する個別セミナーを続けるうち、顧客がセミナーに参加する理由が分かってきました。最新の情報を入手し、自社の業務課題解決のヒントをつかんで帰ることです。それに沿うようセミナーの内容を改善していきました。販売パートナーにも参加してもらい、新しい情報をふんだんに提供することにも力を入れ始めました。この個別セミナーが奏功し、アプリタスの販売は着実に伸びていったのです。

 顧客同士で、アプリタスの使い方を紹介し合うユーザー会も開催しました。ユーザー会を開催するメーカーは多いと思いますが、実際に顧客の満足度は高まるようです。どんどん増えていくアプリケーションを知る絶好の機会でもあったとの評価も頂きました。

パートナーと連携して付加価値を生む

 アプリタスは、2009年から新しい展開を始めています。顧客が必要とするアプリケーションは、ますます多様化し、業種、業界に特化したものが生まれ、求められるサービスレベルもより一層高くなってきたからです。自社が提供するグループウエアだけではなく、パートナーが提供するSaaSと連携することで、多様なニーズに応えることを目指しています。

 既に、医療分野における検査データの受け渡しを介して行う新しいサービスを、新たに構築しています。他にも理美容サロンの店舗運営や、オーナーシステムに関わる統合サービスの構築など、個別の業種、業界別の顧客の要望にも応えられるようになってきました。パートナー企業との協業で、お互いの強みを生かし、業種・業界向けのSaaSのサービスの展開をこれからも進めていきます。

狩野 英樹(かりの ひでき)
ネオジャパン 取締役 経営企画室室長 オンデマンド・アプリケーションサービス・プロジェクト統括
ネオジャパン 狩野 英樹(かりの ひでき)1988年立教大学理学部卒業後、日本電気にて国際VAN事業に従事。コンパック(現 日本ヒューレット・パッカード)を経て、ソフトバンク・イーコマース(現 ソフトバンクBB)では、中小・中堅企業向けASPサービス事業会社を設立。MBOにて独立後、2007年にネオジャパン入社。同社の経営企画ならびに新事業となるSaaS事業立ち上げを担当。2010年、ネオジャパンとビットアイルの共同事業となるコンシューマー向けWebサービスを手掛けるライブラネオを設立し、同社代表取締役に就任。