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写真●トーマツのビジネスシミュレーションゲームの様子
写真●トーマツのビジネスシミュレーションゲームの様子
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 「1、2期目は好調に推移していたが、3期目に調達先の選定で失敗し、大赤字に転落してしまった。調達部門と十分に情報共有していなかったことが悔やまれる」。有限責任監査法人トーマツ(東京都港区)の上坂健司パートナーが話すのは、実際の業績の話ではない。2010年6月中旬に、同社八重洲オフィス監査Cグループのパートナー34人が取り組んだビジネスシミュレーションゲームの結果を本気で悔しがっての言葉だ(写真)。

 このゲームは、チームビルディング研修などを手がけるインパクトジャパン(東京都渋谷区)が提供する「iSecurity」。架空の警備会社を1期で40分ずつ3期経営しチームで業績を競う。チームごとに営業や調達、研究などの部門担当者を決め、個別に業務内容を指示する。それに基づいて、インパクトジャパンの社員が演じる顧客や調達先などの外部関係者と商談しながら業績を上げていく。

 ゲームの狙いは、部門間連携の重要性を参加者に体感させることにある。ゲームでは営業担当者が顧客と商談し、そのニーズを技術や調達、研究などの担当者に的確に伝えれば、業績が上がる。「当社が監査に加え、コンサルティングや税務などのサービスを総合的に提供するうえで、グループ内の組織が連携する重要性をリーダーに体感させる必要があった」と上坂パートナーは説明する。

情報共有不足は市場価値を下げる

 インパクトジャパンのオープンセミナーで記者はゲームの模様を見学した。担当者同士が情報共有を怠ると業務に支障を来す。例えば営業が「顧客はコンプライアンスを重視している」という情報を調達に伝えないと、価格は安いが法令順守に問題のある調達先を選んでしまうこともある。

 経理やIRなどスタッフ部門との連携が不足すると、そこにも落とし穴が待っている。あるチームは順調に業績を上げていたのに、IRリポートを提出していなかった。そのために「市場価値が下がりました」とインパクトジャパンのスタッフから告げられた瞬間、メンバーは一斉に「ゲー」と悲鳴を上げた。研修の休憩時間にはリポートを書くはずだったIR担当者が、「皆忙しそうで、ヒアリングできなかった」と言い訳を繰り返した。ゲームとはいえ、参加者が熱くなっている様子が見て取れた。

 トーマツでもゲーム終了後の振り返りのセッションで、メンバーが「チーム全体の意思統一ができていなかった」などの反省を口にした。それ以降「パートナー会議でも発言が以前よりも多く出るようになるなど、部門間コミュニケーションへの意識が高まっていると感じる」と上坂パートナーは話す。

 次回は、問題解決のプロセスと、その楽しさを次期管理職候補に味わってもらう研修を実施している明治乳業の販社、東京明販の事例を紹介する。

■変更履歴
より内容に則したニュアンスとするためタイトルを変更しました。[2011/11/9 14:58]