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 「オラクルはOracle DatabaseとSPARC搭載サーバーを事実上、抱き合わせで販売している」。日本ヒューレット・パッカード(HP)と米HPは共同で、日本オラクルと米オラクルが独占禁止法に違反していると主張、日本の公正取引委員会に調査を申し入れていたことが、本誌の取材で明らかになった。

 日本HP広報は「米本社主導で行っている」と申し入れの事実を認めるが、「当社としてコメントできることはない」と回答。日本オラクル広報は調査申し入れについて、「本件につき、公取委などからの連絡はない」とだけ話す。

 HP関係者によると、オラクルの行為は独禁法第3条の「私的独占の禁止」に抵触するとHPは主張している()。発端は、オラクルが3月にItanium搭載サーバー向けデータベース(DB)製品の開発打ち切りを表明したことだ。HPは「ハイエンドDB市場で、オラクルのシェアは6割以上」としたうえで、「オラクルがItaniumサーバー向けDB製品の開発をやめることで、大手ユーザーは結果的に、オラクルのDB製品と同社製SPARC搭載サーバーの組み合わせしか選べなくなる」と訴えているという。

図●独占禁止法違反をめぐるヒューレット・パッカードとオラクルの動き
図●独占禁止法違反をめぐるヒューレット・パッカードとオラクルの動き

 現在、主要なミッションクリティカル用途のサーバーはItanium搭載機、SPARC搭載機、IBMのPOWER搭載機の三つ。Itanium向けDB製品の開発打ち切りは、POWER搭載機のユーザーにも影響を与えると、HPは指摘しているようだ。「オラクルがPOWER向け製品の開発を続ける保証はないと、ユーザーは思う」(HP関係者)というのが理由である。データを重要視する企業ほど、ハード更新時にはDBの稼働を保証する製品を選ばざるを得ない。「開発打ち切りは、オラクルのDB製品とサーバーを抱き合わせて購入するようユーザーに仕向ける行為に等しく、競争制限効果を生む」と、HPは主張しているという。

 HPが公取委に申し入れたのは7月。公取委はすでに、Itaniumサーバー上でオラクルのDB製品を利用する大手企業10社程度を対象に、Itaniumサーバーの更改商談が凍結されたケースなどを調査しているもようである。調査対象には銀行や製造、通信、航空、電力などの企業が含まれる。

 公取委の調査は半年程度で終わることもあるという。早ければ来年初頭にも調査結果とそれに基づく判断が出る。公取委の決定がオラクルにグローバルでの対応を迫る可能性もある。