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 中国第2位のIT卸業者の聯強国際(シネックス)は、Web会議ソフト「V-CUBE」を手がける日本のソフト会社ブイキューブと業務提携し、2011年1月から中国でV-CUBEを販売し始めた。シネックスの潘自強軟件部総経理に、提携の狙いや中国のソフト市場などについて聞いた。

(聞き手は宗像 誠之=日経コンピュータ



写真1●シネックスの潘自強軟件部総経理
写真1●シネックスの潘自強軟件部総経理

中国のIT市場におけるシネックスの位置付けは?

 シネックスは大手のIT卸業者で、中国や東南アジア、中東、米国に拠点を持つ(写真A)。中華圏での売上高は約400億元(約4800億円)で、世界での売り上げは1300億元(1兆5600億円)に上る。今は53社の子会社を傘下に抱えており、ソフトウエアからハードウエアまで約100製品を取り扱う。中国での競合は神州数碼控股(デジタルチャイナ・ホールディングス)だ。

 中国だけでなく世界の様々な地域で販売チャネルを持ち、セールスやエンジニア要員を豊富に抱えているため、「製品を取り扱ってほしい」という要望が、たくさんのメーカーから持ち込まれる。すべては取り扱えないので、その中から有望そうな製品を選んで、販売提携させてもらっている。ちなみに、シネックスは米マイクロソフト(MS)製品の中国における最大の卸元だ。

V-CUBEを中国で販売する理由は?

写真A●シネックスの上海における物流拠点
写真A●シネックスの上海における物流拠点

 BRAVの紹介によってV-CUBEを知ったが、販売したいと思った理由は二つある。

 一つはソフト事業の強化だ。中国のIT市場はハードウエアが中心だが、今後はソフト市場が大きくなる。そのため、優れたソフトを早く取りそろえておきたかった。

 二つめは機能的に優れており将来性を感じたことだ。日本語の分からない私が日本語版を使ってみても違和感がないほど直感的に操作できて使いやすい。しかも、中国の不安定な通信環境でも画像や音声をきちんとやり取りできる。国土が広い中国ではもちろん、他の新興国でも必ず売れるソフトだと判断した。

中国での事業展開で重要なポイントは?

 意思決定の早さが重要だ。例えばMSも、中国での事業展開で意思決定が早かったことで成功した企業だ。

 海賊版に対抗するため、中国での販売価格は他国よりもかなり安くすることをこちらが推奨すると、MSはすぐにそれを決断した。すばやい対応が奏功して、中国でのMS製品の売り上げ拡大につながった。

 日本企業の場合、どうしても“東京価格”で売りたがる。しかも、「それでは売れない」と助言しても、日本側での意思決定に時間がかかり、商機に乗り遅れることが多い。スピードと柔軟性は中国ビジネスで成功するために欠かせない要素だろう。

中国市場での日本製ソフトの将来性について、どう考える?

 日本のソフトは中国で成長するチャンスはある。日本製品は自動車や家電などの分野では「品質が良い」というイメージある。ソフトでも認知度が上がってくれば、日本製ならではの品質の良さや機能の充実度が評価されてくるはずだ。

 ただ、中国は商習慣が独特で国土も広い。全国に販売網を自ら作るのは大変だ。我々のような、中国での販路を既に持つ中国企業とパートナーを組むことが重要である。

 V-CUBEはシネックスが取り扱う初めての日本製ソフトとなる。日本は製造業が強いので、生産管理や製造支援関連のソフトは中国でも需要があるはず。シネックスで取り扱ってみたい。日本の製造業が作り出す製品の品質や性能を実現した生産管理などのソフトは、多くの中国企業がほしがるはずだ。