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写真1●iPhone 4S
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 Steve Jobs氏の訃報の前日に米Appleが発表した新型スマートフォン「iPhone 4S」(写真1)は、発売後3日間で400万台超を売り上げるなど出足が好調のようだ。一方米Amazon.comが満を持して発表したマルチタッチカラーディスプレー搭載のタブレット端末「Kindle Fire」も事前予約が予想を上回り、同社は生産量を計画よりも数百万台増やしている。また米Microsoftでは、携帯電話の出荷台数で世界一のフィンランドNokiaが初めて「Windows Phone」を採用し、販路拡大に期待している。

 そうした中、これらIT大手の7~9月期の決算が出そろった。各社とも増収を報告するなど、好調な決算だったが、それぞれの内容を詳しく見ると課題も浮き彫りになっており、アナリストの評価もまちまちのようだ。

Apple、過去最高の決算だが、投資家は落胆

 Appleの7~9月期の売上高は282億7000万ドルとなり、1年前と比べ39%増加した。純利益は66億2000万ドルで同54%増加しており、売上高、純利益ともに7~9月期としては過去最高。しかし、同社売上高の過去1年の前年同期比伸び率を見ると60%台後半から80%台前半で推移していた。今や時価総額が世界一になり、この先も高い伸びが続くと期待が高まっていただけに、市場関係者の落胆は大きかったようだ。

 主力のiPhoneの販売台数は2011年1~3月期に1865万台、4~6月期に2034万台だったが、この7~9月期は1707万台にとどまり、2010年10~12月期の水準にまで戻ってしまった。

 Tim Cook最高経営責任者(CEO)によると、消費者のあいだでiPhoneの新モデルが発売されるとの噂が広がったことで9月末に近づくにつれ販売が減速した。

 米Wall Street Journalは、「Appleの業績にとってiPhoneがいかに重要であるかを浮き彫りにした。同時に、絶えることのない同社新製品に関する噂が、いかにしてしっぺ返しを食らわせるかを示した決算だった」と伝えた。

 ただCook CEOは、その反動が10~12月期に来ると考えており、クリスマス商戦のある同四半期は、iPhoneの販売がかつてないものになると自信を示している。

 iPhone 4Sには「Siri(シリ)」と呼ばれる音声アシスタント機能もあり、期待以上の製品に仕上がっていることから、10~12月期は予想を上回ると見る市場関係者もいる。その一方で、同端末はJobs氏の生前最後の製品のため、人気が出るのは当然という見方がある。Apple製品の真価が問われるのは、Jobs氏が設計や開発に携わっていなかっただろう次期モデルのiPhone 5、あるいはそれ以降の製品になると指摘されている。

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