加速するスマートフォンへのシフト。しかし、いまだNTTドコモのiモードのユーザーは約4600万人を数える。iモードのエコシステムをスマートフォンに引き継ぐ「dメニュー」「dマーケット」を導入するなど、これまでの施策が注目される中、フィーチャーフォンはどのように進化しているのか? 同社プロダクト部、スマートコミュニケーションサービス部に聞いた。
2011-2012冬春モデルでは8機種9モデルのフィーチャーフォンを投入する。フィーチャーフォンの現状認識は。


加藤氏:すべてがスマートフォンに移行するわけではないと思っている。「iモードでしっかりやっていこう」というのが我々のコンセプト。これまでiモードで培ってきたアプリ課金の仕組みなどを最大限に生かせる端末を出そうということで、さまざまな機能を付加した。
矢野氏:スイーベルタイプ(画面が回転するタイプ)はタッチパネルを併用している。ただし、文字入力のときはハードキーが使いやすいという意見も多い。画面を見なくても文字を打てる点が評価されている。利用シーンにあわせてユーザーがハードキーとタッチパネルの好きな方を使ってほしい。
今回のディスプレイサイズの主力は3.3インチ周辺。最近ではこのサイズに近いコンパクトなスマートフォンも出てきているが、ユーザーに応じて棲み分けができてくるだろう。小型のスマートフォンは女性に人気があるが、高齢者やフィーチャーフォンのハードキーに慣れたユーザーは、引き続きフィーチャーフォンを利用していくのではないだろうか。
今回からフィーチャーフォンの主力シリーズを「docomo STYLE series」に統合する一方、「docomo らくらくホンシリーズ」は残した。
加藤氏:らくらくホンユーザーは相当数いる。年配の方だけでなく、30代や40代の方も結構使っていると聞く。そうしたユーザーに対してもしっかりとフォローしていきたい。
スマートフォンに比べてバッテリーの持ちがよいのは大きな利点。発表会の会場で確認したところ、小型のボディに1010mAhの大容量バッテリーを搭載していて驚いたが、やはりその点は強みか。
加藤氏:確かにその優位性は大きい。バッテリーはフィーチャーフォン向けにカスタマイズしている。スマートフォンは液晶が大きいこともあり、やはり電池の消費量が大きい部分もある。また、それぞれのニーズにあったものがiモードでは作りやすいため、端末としてスマートフォンとの差別化ができると感じている。
フィーチャーフォンのブラウザでは、モバイル向けに解像度を小さくした画面で見ることができる。それによる電池消費のメリットもあるだろう。実際、現段階ではフルブラウザで閲覧しているユーザーはさほど多くないと聞いている。これは文化の違いであり、あまりこれまでフィーチャーフォンでYouTubeなどの動画を見る習慣がなかったからだ。スマートフォンでそうした文化が根付いてくれば、フィーチャーフォンでもフルブラウザで見る人は増えるのではないか。