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 リクルートはプライベートクラウドを構築するにあたり、商用サイトの実行基盤を統合することに決めた。データセンターを1カ所に集約し、採用するサーバーも1種類に絞ることで、コスト削減の徹底を狙った。(文中敬称略)

 小倉らは、新しい実行基盤で使う製品や技術の選定に入った。テスト環境を作り、候補となる複数の製品の性能や機能を検証した上で、どの製品を採用するかを決めていった。

 テスト環境はPCサーバー約100台の規模。ここで、ハードウエアやミドルウエアの検証を中心に進めた。データベースソフトについては、負荷テストで限界性能を検証。サーバー10台前後まで性能が伸びることを確認できた日本オラクルの製品を採用した。

図●プロジェクトの進捗スケジュール
図●プロジェクトの進捗スケジュール
移行計画の策定、技術や製品の評価などにも時間をかけた
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 ネットワークでは高性能コンピュータで使われる「InfiniBand」規格の製品をテスト、サーバーではLinuxを搭載したメインフレームも検討、ソフトや一部ハードは自作を試みる、といった具合に、選定の際は幅広い製品や方法を比較した。結果的に、サーバーは日本IBMのPCサーバー、ストレージはネットアップの仮想ストレージを採用するなど、「定番製品が多かったが、高い費用対効果が得られると確信した」(小倉)。

 新たな実行基盤のPV単価を試算したところ、旧基盤の3分の1を若干下回った。「これなら問題ない」。米谷は08年8月、サイトの実行基盤の刷新を役員会に正式提案。経営陣の承認を受け、本格的に基盤の構築に取りかかった()。

 米谷は構築規模を考慮して、取引実績がある協力会社10社ほどにプロジェクトへの参加を要請した。いずれも、オープンシステム構築技術に強い会社である。

 ここで、米谷には一つの懸念材料があった。構築工程は、最大250人が参加する大規模プロジェクトになる。米谷がプロジェクトマネジャー(PM)に指名した小倉は「優秀な技術者だが、これだけ規模の大きいプロジェクトを率いた経験はなかった」(米谷)。