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 地域WiMAX事業者やメーカーらで構成する地域WiMAX推進協議会は2011年9月29日、「地域WiMAX推進協議会シンポジウム」を開催した。テーマを「地域WiMAXのビジネスモデルを考える」と設定し、講演者から取り組み事例や関連サービスが紹介された。

監視カメラを接続、移動カメラも用意

 地域WiMAXを活用した事例の一つとして紹介されたのが、愛媛県新居浜市の防災システムに組み込んだものである。市内の河川5カ所に水位を監視するカメラを設置し、その映像をハートネットワークが提供する地域WiMAX回線を利用して市役所の防災行政無線システムに送信している。市役所の端末から水位の状況を確認できるほか、状況に応じてカメラに併設しているIP告知受信端末を経由して屋外スピーカーや赤色回転灯で注意喚起をすることもできる。

 この仕組みは河川監視だけではなく、どこで起こるか分からない災害対応にも展開する。現場にパソコンとWebカメラを持ち運び、映像をリアルタイムで送信し、市役所の災害対策本部とやり取りする。新居浜市では地域WiMAXのIP電話を用い、災害時の音声通話のバックアップ回線としても採用しており、市役所と四国電力の新居浜支店、市内に工場を持つ住友化学などの住友グループの拠点と接続している。

 新居浜市はハートネットワークと2011年4月に防災協定も結んだ。ハートネットワークは災害時には災害対策本部や避難所へIP電話や無線LANを提供したり、生中継の映像やデータ放送をケーブルテレビ利用者へ届けたりするといった内容が柱になっている。

 今後新居浜市では、監視カメラを海岸や急傾斜地など25カ所に増設するほか、自治会へ向けた広報端末を180カ所に設置する予定という。

電子新聞を展開、ID・パスワードを共通化

 地域WiMAX事業者である愛媛CATVは、大学へのインターネット環境整備である「キャンパスWiMAX」という取り組みについて説明した。愛媛CATVは松山大学のキャンパスに無線LANのアクセスポイントを21カ所設置している。これはキャンパス内に地域WiMAXの基地局を設置し、その電波を無線LANに変換する形で提供している。約6500人いる大学のすべての学生や教職員は、ID(大学のメールアドレス)とパスワードを使って自由にインターネットに接続できる。Webの閲覧以外にもiPhoneのカメラを使って大学祭やオープンキャンパスの様子をUstreamを使って発信するなど、利用が進んでいるという。

 愛媛CATVはこのインフラを生かし、地方紙の愛媛新聞と協力して新たなサービスの開拓を目指している。具体的には愛媛新聞の電子版を松山大学の学生に公開している。愛媛新聞の電子版は商用サービスとして提供する前のトライアルサービスの位置づけである。地域WiMAXと電子版は直接関係がないものの、無線LANにログインするIDとパスワードを電子版を閲覧するログインIDやパスワードと共通のものにしている。

 学生からは電子版のサイトの見やすさなどのフィードバックをもらうほか、新聞離れが進む中で学生のときから新聞に触れてもらうことで、社会人になってから購読してもらえることも狙っているという。愛媛CATVではID・パスワードを生かして外部サービスと連携したコンテンツを今後も追加していく考えという。

スマホでIP電話を実現

 NTTドコモは地域WiMAX事業者向けに、地域WiMAX回線を生かしたIP電話サービスを紹介した。特徴はスマートフォンなどの携帯電話機をIP電話の端末として利用することである。屋外では地域WiMAXを無線LANに変換したアクセスポイントや公衆無線LANサービスのアクセスポイントを使い、宅内ではケーブルテレビインターネットの無線ルーターにIP電話を利用可能なタイプを設置して使うというものである。こうしたエリア内であれば、どこでも携帯電話機を使って050番号で発着信できる。

 また、地域WiMAX事業者向けに共用型のCSNサービス「AUTH.16」を提供しているコスモエアは、これに加えて無線LANの認証サービス「AUTH.11」を紹介した。このサービスを利用する事業者間では、無線LANのローミングが可能になる。例えば住宅地で無線LANを提供している事業者とオフィスが多い地域で無線LANを提供している事業者が隣接している場合に、ユーザーの通勤途中でも無線LANを使えるといったイメージである。