ユーザー層の広がりとともに、スマートフォンのセキュリティはますます重要になっている。とはいえ、ユーザーにとっては実際に自分もしくは周りの知人がウイルスに感染するなどしないと、イメージするのはなかなか難しい。適切な情報を入手し、適切なセキュリティ対策を取っているスマートフォンユーザーはどの程度いるのだろうか。サービスを提供する側は、適切な方法で、適切なセキュリティ情報をユーザーに伝えきれているだろうか。今回はユーザーが「スマートフォンのセキュリティ」をどのようにとらえているのかをアンケート結果から把握していきたい。
調査概要 | スマートフォンのセキュリティ意識に関する調査 |
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主催 | モバイルマーケティング・ジャパン、ネットマイル |
対象ユーザー | 「スマホリサーチ」パネル(共通ポイントプログラム「ネットマイル」会員約450万人の中から抽出したスマートフォンユーザー) |
調査期間 | 2011年11月11日~14日 |
方式 | インターネット調査(回答はすべてスマートフォンから得たもの) |
有効回答数 | 959 |
「不安や疑問」は約7割が抱いている
スマートフォンのセキュリティに対して、ユーザーはどの程度意識しているか、または対策のための行動をしているのだろうか。まず、どの程度スマートフォンのセキュリティに「不安や疑問」を抱くことがあるかを聞いたところ、約7割が「抱いている」と回答(図1)。逆に言うと約3割は、スマートフォンのセキュリティについてほとんど意識したことがない、あるいは「安全」であると信頼しきっていることになる。

この3割を多いととらえるか、少ないととらえるかの判断は難しいが、実際にウイルスに感染したことがあるかを聞くと、感染したことがある人は0.3%(図2)。0.3%は一見少なそうだが、300人に一人程度が既にウイルス感染を体験していることになる。周囲に一人は感染者がいてもおかしくはない数字である。

セキュリティ上の懸念としてもう一つ注目すべきデータは、ウィルスに感染したことがあるかどうか「分からない」との回答だ。24.9%が「分からない」と答えた。自分自身が使っているスマートフォンがどのような状態にあるか自信を持って言い切れないユーザーが少なくないということになる。