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 iPhoneの人気によるトラフィック対策に苦しむソフトバンクモバイル。同社は2GHz帯をメインに、1.5GHz帯、さらに関連会社であるWireless City Planning(WCP)が提供する2.5GHz帯のAXGP(TD-LTE)を活用し、トラフィックの分散を狙う(図1)。

図1●900MHz帯を使ってiPhoneの容量対策、エリアカバーを広げたいソフトバンクモバイル
図1●900MHz帯を使ってiPhoneの容量対策、エリアカバーを広げたいソフトバンクモバイル
2GHz帯で支えているiPhoneのトラフィック対策が課題。そのためiPhone 4などが対応している900MHz帯を確保し、トラフィック分散を狙う考え。さらに屋内浸透率の向上にもつなげたい考えだ。
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 ただしiPhoneは1.5GHz帯に対応しておらず、2GHz帯だけで支えている。「2GHz帯はフルフルの状況。無線LANオフロードや基地局増設を進めてなんとか支えている状態」(ソフトバンクモバイルの宮川潤一取締役専務執行役員兼CTO)という。

 そこで同社にとって重要な意味を持つのが、総務省が割り当て案を出した900MHz帯だ(関連記事)。この帯域はiPhone 4やiPhone 4Sなどもサポートするグローバルバンドであり、獲得できればすぐにトラフィック分散の効果を出せる。このほか伝搬性能の良い帯域であるため、「エリアカバー用にもどうしても必要」(宮川CTO)と熱望する。

 同社は先行リスクを取り、900MHz帯を獲得したときのエリア展開の準備を用意周到に進めている。900MHz帯を獲得した場合は、冗長化の狙いから全国一面をカバーする計画。40~60メートル級の鉄塔を3~4万局建てるという。「できるだけ早く工事を展開できるように、部材の統一化やキット化なども考えている。900MHz帯を獲得できれば、(まだまだつながりづらい電波状況を)1年で劇的に変えてみせる」(宮川CTO)。

 900MHz帯を獲得できるかどうかは、同社のLTE(Long Term Evolution)導入計画をも左右する。これまでソフトバンクモバイルはLTEの開始時期を明確にしてこなかったが、それは「迫り来るトラフィック量が大きすぎて、現状のシステムを倒さないようにするのに精一杯だった」(宮川CTO)ため。同社のメインバンドである2GHz帯で、LTE用に一部の帯域を割くことが困難だったのだ。

 また同社は、1.5GHz帯にDC-HSDPA(Dual Cell High Speed Downlink Packet Access)を導入したので、ここにもLTEを導入する余裕は無い。DC-HSDPAは10MHz幅×2の帯域が必要だ。

 同社も本音では、「周波数利用効率のよいLTEに少しでも早く移行したい」(宮川CTO)。そこで、900MHz帯が非常に重要な意味を持つというわけである。900MHz帯を獲得してトラフィックを分散できれば、2GHz帯に余裕が出る。「それができれば2012年度中にも2GHz帯の5MHz幅×2を使ってLTEを導入したい」(同)。

 このように900MHz帯は、同社のインフラを改善する上で大きな意味を持つ。同社が熱望するのも無理はない。

 なおDC-HSDPAを導入した1.5GHz帯もトラフィックの分散先としてフル活用している。この帯域は日本独自の帯域のため、端末の調達がハードルとなるが、同社は冬春モデルから1.5GHz帯に対応したAndroid端末をラインアップに加えた。

 また、1.5GHz帯をバックホールに使った無線LANアクセスポイントの設置も進めているという。同社が短期間に10万局を超える無線LANスポットを開設できた背景には、このように無線バックホールを使ったアクセスポイントを多数用意したからかもしれない。

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