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 前回、多くのプロジェクト活動は組織の枠組みの中で進められるため、両者の分担をきっちりと決め、組織がプロジェクトの状況を正確かつタイムリーに把握・チェックする方法を確立しておく必要性について説明しました。それによってプロジェクトマネジャーは後顧の憂いなく担当するプロジェクトに集中して挑むことが出来るのです。

しかし、そうは言っても簡単じゃありません…

 「組織として各プロジェクトの活動を全体的・横断的にマネジメントする手段を確立する」と言っても、一朝一夕に出来上がるものではありません。なぜなら、プロジェクトマネジメントの方法が人によってバラバラだと、組織として「同じ目線」で各プロジェクトの状況を把握・評価することが難しいからです。

 前回に続き、またまたPMホームの例で申し訳ないのですが、ある2つのマイホーム案件が同時に始まったとします。一方のプロジェクトからは「いくつか品質上の問題が起こっており、まだ全体の40%程度しか作業が完了していません」との報告、もう一方は「今のところ大きな問題ありません、全体の60%まで来ました」との報告をそれぞれのPMから受けたとします。言葉を素直に受け止めれば前者のプロジェクトの方が気になるところですね。しかし、本当にどちらのプロジェクトが順調なのか、これだけでは正確に把握することは出来ないのです。

 まず、そもそも作業がどこまで進んでいるかの基準が異なる可能性があります。前者のプロジェクトでは「着工まで行くと40%」、後者のプロジェクトでは「設計が完了すると60%」と判断しているかもしれません(その場合、実は前者のプロジェクトが先に進んでいます)。さらに、後者のプロジェクトでは品質が十分に管理されておらず、「問題ありません」と言いながら実は大きな品質上の問題が隠れているだけなのかもしれません。

 このような場合、ひとつひとつのプロジェクトに対して「どのような基準で報告しているのか」、「どのような管理手法によって判断しているのか」を聞き、頭の中でプロジェクト間の差異を補正しなければ正確に状況を把握することが出来ないのです。もちろん組織のマネジャーにはそんな時間ありませんし、つい「キミに任せたよ!」となって問題が隠れがちになってしまうのです。