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 IT業界でプロとして活躍するには何が必要か。ダメな“システム屋”にならないためにはどうするべきか。“システム屋”歴30年を自任する筆者が経験者の立場から、ダメな“システム屋”の行動様式を辛口で指摘しつつ、そこからの脱却法を分かりやすく解説する。(毎週月曜日更新、編集:日経情報ストラテジー

ITベンダーにて、中堅“システム屋”同士の雑談
ダメな“システム屋”の会話 中堅“システム屋”A 「我々“システム屋”も、エンジニアの一種だよね?」
中堅“システム屋”B 「そうだと思うけど」
A 「それにしては“技術力”がないと思わない?」
B 「それはどういうこと?」
A 「電子機器のエンジニアなら、電気工学の教科書レベルの公式は全て頭に入っていて、最先端の研究動向についても知っているよね。製薬会社のエンジニア、自動車メーカーのエンジニアも、それぞれの分野で技術力を持っているはず」
B 「なるほど。“システム屋”の中にも、コンピュータサイエンスやシステム工学などの分野で技術力を誇る人はいるけど、エンジニアと呼べないレベルの人も多いかもしれないな」
A 「エンジニアではないんだよ、そういう人は。技術力がないんだから」
B 「じゃあ、どう呼べばいい?」
A 「そこが問題なんだよ。技術力のない“システム屋”って存在していいのかな」

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ダメな理由:技術力なきエンジニア

 1979年にITベンダーに就職した私は、会社から「君たちには全員、システムエンジニアになってもらう」と言われ、半信半疑で聞きながらコンピュータに関するスキルの習得に努めました。

 1980年代半ば、人事部門に異動して採用を担当することになった私は、上司が学生への説明会で「文系学部出身でも、技術を知らなくても大丈夫です。システムエンジニアになれます」と言うのを半信半疑で聞きながら、その後、自分でも同じ説明をしてしまっていました。

 1980年代後半、バブル経済に浮かれたITベンダー各社は大量採用に踏み切り、ほとんど「誰でもシステムエンジニアになれる」という勢いだったと思います。

 1990年頃、ITベンダーに入社してから10年ぐらい過ぎて、少し社会のことが分かるようになってから、私はこの業界での技術者とは何なのかということを考えました。“システム屋”の世界を外の世界と比較しようとしたのです。

 いわゆる理系大学を卒業した私の同級生たちの中には、製造業各社でエンジニアになっている人たちが多数いました。彼らの多くは、「開発」に携わっていましたが、彼らが使う「開発」という言葉と、私たち“システム屋”が使う「開発」という言葉の間に、ニュアンスの違いを感じました。