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写真1●7~9月期に1100万台を販売したAppleの「iPad」
写真1●7~9月期に1100万台を販売したAppleの「iPad」

 「世界のパソコン市場で米Appleの出荷台数がまもなく米Hewlett-Packard(HP)を上回り、業界トップになる」――。先月、こうした市場予測を英国の調査会社Canalysが公表して話題になった。Appleのパソコン「Mac(Macintosh)」と言えば、常にそのシェアは数パーセント程度。一方、HPは常に17%程度を維持している業界最大手だ。AppleがなぜそのHPを追い抜けるのかと言うと、実はCanalysという調査会社は従来型のパソコンと「iPad」などのタブレット端末を一つの市場ととらえて調査しているからだ(写真1)。

新しい「パソコン市場」に注目集まる

 例えば別の調査会社である米Gartnerによると、今年7~9月期のHPのパソコン出荷台数は1623万台だった。これに対しAppleが決算発表で公表したiPadの販売台数は1112万台(図1)。これにMacの489万台を加えると1601万台となり、AppleはHPに肉薄していることが分かる。

図1●iPad販売台数推移
図1●iPad販売台数推移

 Canalysは、クリスマス商戦のあるこの10~12月期にAppleはHPとし烈な競争を繰り広げ、iPadの新モデル投入後の来年の半ばまでにHPを追い抜くと予測している。

 パソコンはオフィスなどの職場で書類などを作成する生産性ツールとして定着しているが、タブレット端末は、電子書籍や動画、音楽、知人との交流などを楽しむメディア消費型のツールとして普及している。両者の成り立ちや用途に大きな違いがあることから、多くの調査会社はこの二つを分けて統計を出しているのだが、これらを合わせて一つの「パソコン市場」とするCanalysのアプローチは、今の市場動向を正しく把握するための新しい指標として注目されている。

 Canalysによると、今年1年間の北米市場の出荷台数は1年前から18%増の1億300万台となる見込みだが、タブレット端末を除いた場合、伸び率は1%未満になる。同様にして、欧州・中東・アフリカ地域ではタブレットを除いた場合、前年比6%減になるが、タブレットを含めると数パーセントだが増加に転じる。景気低迷の影響で従来型のパソコンが伸び悩むと言われるなか、タブレットを含めると市場はプラス成長していることが分かるという。

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