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 前回はプロジェクトの完了時にどのように「振り返り」を行うのか、というお話でした。

 具体的には、プロジェクトの予実を評価して、得られた教訓とともに報告書をまとめ「プロジェクト完了報告会」を実施するという手順ですが、これはプロジェクトの母体となっている組織や関係者に最終的な成果を報告し、教訓を共有するという意味合いで行うものでした。

 しかし、ここで作成されたプロジェクト完了報告書、実はさらに別の目的のために利用することができるのです。

実績データを次の見積もりに利用する

 プロジェクトのために必要な人数や期間、コストなどをどのように見積もれば良いのか。プロジェクトは新たな挑戦であるために、なかなか精度の高い見積もりをはじき出すことは難しいものです。

 もちろん、プロジェクトがある程度進めばその後の見積はかなり正確に出すことができます。例えば、おでん屋台の設計が終わった時には組み立て作業の手順や必要な材料が明らかになるため、それらを個々に見積もって合算すれば「二人でやればあと1ヶ月、45万円位で完成できるな!」との予測が立ちます。

 しかし、通常はプロジェクトの開始前に見積もりを行ない、必要なリソースをプロジェクトに投入するか否かの判断を下す必要があり、その場合このやり方では見積もることができないケースがあります。

 そんな時、もし過去に実施されたプロジェクトの実績データを確認できたとすれば、どうでしょうか。まったく同じ内容のプロジェクトではないにしても、今回に近しい特性を持ったプロジェクトの実績値があればかなり参考になるはずです。例えば、「以前に焼き鳥の屋台を作ったプロジェクトでは、二人がかりで製作期間2ヶ月、50万円掛かった」という実績データがあれば、それを根拠としたおでん屋台の見積もりを行うことができそうですね。

 そのためには、プロジェクト完了報告書に記載された実績値をデータベース化して蓄積し、別のプロジェクトの見積もり時に参照できるようにしておくことが非常に有効なのです。