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 オーストラリアの金融、経済の中心であるシドニーは、世界3大美港の一つに数えられ、豊かな自然と古い街並みが共存している。その地に赴任して5回目の夏を迎えた。

 先進国のイメージがあるオーストラリアだが、ITインフラの状況はそうでもない。赴任当初、当社が展開しているインターネット接続サービスはまだダイヤルアップから8Mビット/秒のADSLサービスへ移行する途中だった。

 それから5年たった現在も、いまだに主流はADSLサービスで、速度も24Mビット/秒が最速。料金も月額8000円程度と高く、料金プランも一定の通信量を超すと、従量課金制になる準定額プランが主流だ。

 政府の施策によりFTTH化も徐々に進んではいるが、展開は遅い。大手のテルストラは、それに代わるプランとして4G(LTE)対応のUSBモデムによる接続サービスを2011年9月に開始。シドニーやメルボルン、アデレード、パース、ブリスベンといった主要都市部で展開している。一定の通信量まで使えるプリペイドタイプもあり、高速なインターネット接続手段を簡単に手に入れるには便利なサービスと言える。

 歴史的経緯から多民族国家として成立し、天然資源を輸出すれば利益を稼げるオーストラリアでは、日本のような均質なサービス品質は期待できない。赴任当初は、電話工事の担当者がいくら待っても現れず、クレームを付けても「行ったけど不在だった」と取り合わない対応に苦慮した。だが逆に取れば、オーストラリアに進出する日系企業に対して、現地のIT企業に期待できない高品質なサポートを提供するチャンスでもある。

西の都、パースでのサポート強化

 今、特に活況なのは金や天然ガス、鉄鉱石などの鉱物資源が豊富な西オーストラリア州の州都パースだ。地理的には、欧米から最も遠い位置にある国際都市であり、「世界で最も孤立した街」とも言われるが、世界で最も暮らしやすい街としても知られている。市の中心部であるスワン川周辺や、対岸のサウスパースを望む大通り、セントジョージズテラス沿いには近代的な高層ビルが立ち並ぶ。

 ただ、オフィス賃料や物価、給料が高騰しており、次第に住みにくい都市になりつつある。

 日系企業の間では、東日本大震災の影響などからLPGガスの需要が高まっており、一層の進出が見込まれる。そうした企業の新規オフィス開設プロジェクトにいち早く対応するため当社では、2011年7月下旬からスタッフが出張ベースで滞在して、ITサポートを開始した。これを機に、今後は現地のIT企業とタイアップして、日系企業だけでなく現地の企業へも日本品質のサービスを提供していきたいと思っている。

小崎 剛彦(こざき たけひこ)
KDDIオーストラリア副社長。2006年4月に赴任。香港に次いで2度目の海外勤務。以前は国内、国際案件のSE業務に従事。現在は常時発生する回線や機器類の納期の遅れに頭を悩ませる日々だが、週末のゴルフとバーベキュー、豊富なオーストラリアワインが楽しみ。