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 環境変化が激しい時代の経営を支える柔軟な基幹系を実現するために、もう一つ押さえておくべきカギがある。基幹系の刷新プロジェクトが終わったとしても、開発を続けられる体制を維持することだ。

 新規事業への取り組みやグローバル展開、経営統合など、基幹系が対応しなければならない変化は続く。「一度作って後は改修」ではなく、「開発を継続する」という姿勢で臨まなければ、基幹系は変化から取り残されてしまう。

 その際、欠かせないのが「基幹系の運用をしない」ことである。基幹系の動作環境として有力になってきたクラウドサービスの利用が、従来の運用を代替する最有力の選択肢だ。

 クラウドを活用してインフラの運用負担をできる限り軽減する。その結果、運用に費やしていた人員や費用を、アプリケーションの開発の継続や活用支援に振り向けられるようになる(図1)。

図1●基幹系システム稼働後の考え方。クラウドサービスの活用でインフラ運用負担を軽減し、開発を継続する体制を作る
図1●基幹系システム稼働後の考え方
クラウドサービスの活用でインフラ運用負担を軽減し、開発を継続する体制を作る
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 基幹系にクラウドを取り入れ、開発プロジェクトに期限を設けない決断をした、らでぃっしゅぼーやの事例から見てみよう。

プロジェクトに完了を設けない

 販売や物流、会計、人事など、業務の大部分を支援する基幹系を刷新中のらでぃっしゅぼーやは、変化対応を追い求めた結果、基幹系構築プロジェクトに完了時期を定めることを止めた。

 2009年にプロジェクトを開始した当初、同社は完了時期を3年後と決めていたという。ところがプロジェクトを進めていく中で、「基幹系の刷新に終わりはないと考え始めた」と情報システム部の大津部長は振り返る。

 その理由は「半年もあれば状況は大きく変化する」(大津部長)からだ。有機食品を中心に食材宅配を手がける同社は、東日本大震災が発生した2011年3月11日以降、食材の安全性に対して消費者の関心がより高まったと感じていた。

 変わるのは顧客である消費者だけではない。自らも同年10月11日にはローソンと共同でECサイトをオープンするなど、社外との提携を進めている。こうした状況を踏まえ、「基幹系の機能を常に発展させていくために開発し続ける必要がある」と大津部長は判断した。