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 大手ITベンダーが、企業の新ビジネス創出支援に続々と乗り出す。各社に共通するのは、時々刻々と増える大量データである「ビッグデータ」の活用だ。

 その一つが、ソーシャルメディア上の情報を利用した、企業の海外でのマーケティング支援である。従来から提供していた日本語に加えて、英語や中国語、韓国語といった外国語で、現地での評判を分析できるようにする。

 各言語で書かれたTwitterやFacebook上の膨大な投稿文を基に、企業の製品・サービスの評判を分析して、改善につなげたり顧客サポートを実施したりする。「日本にいながら現地で人気の商品や消費者の嗜好を知ることができるようにし、ビジネスモデル構築に役立てられるようにする」(日本IBMの金巻龍一 常務執行役員)。

 日本IBMは2011年12月から、英語、中国語、スペイン語など11言語で、ソーシャルメディア活用支援クラウドサービスの提供を開始した。各言語の投稿文の自動収集や検索、評判の分析と可視化といった機能を備える。分析の切り口や結果の活用方法などに関して、コンサルタントが助言するサービスも提供する。NECビッグローブやNTTデータ、野村総合研究所も、2012年初めにかけて、外国語による分析機能や助言サービスを開始する()。

表●海外マーケティングに向けたソーシャルメディア活用支援サービスの例
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表●海外マーケティングに向けたソーシャルメディア活用支援サービスの例

 各社が強化を図る、もう一つのビッグデータ分野が「M2M」だ。センサーなどの機器から膨大な稼働状況データを収集し、機器の遠隔監視や自動制御を可能にする。

 各社がM2M分野の強化に動く狙いは、「顧客企業が自社製品やサービスの付加価値を高めて、競合他社と差異化できるようにする」(富士通でM2M事業を担当する小林午郎 戦略企画統括部統括部長)ことだ。機械メーカーが、顧客に納めた自社製品の稼働状況をつぶさに監視して、遠隔保守や活用支援といった顧客向けサービスを開発したり、機能改善に役立てたりすることを想定する。

 富士通はM2Mによる新事業創出を支援するコンサルタント部隊の人員を、2012年中にも現状の20人から倍増する。データ解析分野の研究者やエンジニアなどから成る部隊で、集めるべきデータの種類やデータ活用方法などを助言する。

 日立製作所は4月から、社会インフラ管理のM2Mクラウドサービスを順次増やす。配電自動化や水道設備の遠隔監視、公共交通機関の配車管理などだ。

 IT各社がビッグデータ分野に注目するのは、消費者の生の声や機器のリアルタイムの稼働状況といった、顧客企業の本業強化に直結する情報を得られるため。同様なビッグデータ活用支援策は、今後も増えそうだ。