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 福島第一原子力発電所の事故に関して、日本政府は最近冷温停止による収束宣言を出したが、まだ完全解決には程遠い。福島の事故後、ドイツやイタリアは脱原発に舵を切った。米国も世論は強く脱原発に動いたことをこの連載でも伝えたが(関連記事)、本当にこのまま脱原発に進むのだろうか。それとも、2007年頃に言われ始めた「原子力発電復活(原発ルネサンス)」は規模を縮小しながらでも継続するのだろうか。

 この記事では、米国における原発の現状と、原発への追い風と向かい風の要素について考察する。日本が直面している電力の問題は、決して日本に特有のものではない。米国も日本ほど差し迫ってはいないものの、実は同様の問題に直面している。その問題とは「原発停止で得られる安全とその結果引き起こされる電力不足」と「当面必要となる化石代替エネルギーの使用とそれによる電気代の高騰」とのバランスだ。これらを天秤にかけて今後どのようにエネルギー政策を決定するかは、日米両国にとって詳細な部分では異なるものの、大きな問題として横たわる。

 米国では、今後電力需要はさらに伸びると予想される。原発の代替エネルギーとなり得るクリーンなエネルギー源(関連記事)の開発は短期間では望めない。それが普及するまでの間は、節電や電力使用効率化を最大に図っても、化石燃料(火力発電)に頼るしかない。もっとも火力発電所の建設にも大きなハードルがある。地域住民の反対や、政府が決定した大気の浄化政策や温室効果ガス排出規制の流れに反することである。

 米国では、この難しい選択の中、苦悩しつつ原発について小規模の“ルネサンス”が起こっている。もちろん、原発の安全対策や事故発生時の緊急避難ガイドなども整備はされている。それでもルネサンスに冷水をぶっかけるような危険な原発があることは事実であり、いくつかの原発は日本の原発と同じような問題を抱えている。