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>>前回

 原子力発電所のリスクと言えば、まず地震による被害が頭に浮かぶ。米国とて同様である。地震で停止したバージニア州のNorth Anna原発の例もある。地震以外の自然災害で正常な作動が妨げられることもある。アラバマ州のBrowns Ferry原発は、竜巻の影響で送電線が不通になったため停止した。ほかに、Three Mile Islandのような人為的なミスもあれば、テロの危険もある。

 前回は全米一大きいニューヨーク市からの距離が近いIndian Pointを取り上げた。今回は、カリフォルニア州にある原発を取り上げる。地震のリスクが最も大きいというわけではないが、カリフォルニア州は全米の中でトレンドを作り出すことで有名であり、カリフォルニア州が独立した国であれば世界第8位の経済力を持つと言われている。もし、二つの原発が停止したらどのような方策が取られるのであろうか。ニューヨーク市のように代替電力供給を考えているのだろうか。

Diablo Canyon

 原子力規制委員会(NRC:Nuclear Regulatory Commission)はすべての稼働中の原発の地震による危機的な事故の確率を計算していた。その隔離率が最も高かったのは、大方の予想に反して太平洋岸ではなく、Indian Pointだった(1万分の1の確率)。104基の原発のうち、Diablo Canyon(2万3810分の1の確率、図12の緑の点)は15位で、San Onofre(5万8824分の1の確率、図12のピンクの点)は46位に出てくる。地震の可能性が高い太平洋岸の二つの原発の順位が比較的低いのは、地震に備えての設計によるものだろうか。

図12●Diablo Canyon原発(緑色の点)とSan Onofre(ピンク色の点)の所在地
図12●Diablo Canyon原発(緑色の点)とSan Onofre(ピンク色の点)の所在地

 Diablo Canyon原発はPG&E社によって運転されている。場所はシリコンバレーの中心にあるサンノゼ市から約320kmで、サンフランシスコからは393kmほど南に位置している。PG&E社は1990年代の電力自由化の波の中で発送電分離のため大部分の発電所を手放した(関連記事)。それでも原発のほか、水力発電所と火力発電所を有している。Diablo Canyonには原子炉2基があり、合計224万kWの発電能力を持つ。福島第一原発の事故以後、NRCはすべての原発を対象に安全性を検査した。全体的にはすぐに問題となる点は見つからなかったが、改善や改良を発表している。Diablo Canyonは問題発生時に十分対応できているという評価を得ている。それにもかかわらず、反対意見は根強い。