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 IFRS(国際会計基準)適用に関する議論の先行きが不透明ななか、日本企業はIFRSをどのように捉え、対応していくのか。日経コンピュータはITpro会員4001人を対象に意識・動向調査を実施した。IFRS対応プロジェクトを延期または中止する企業が多いとみられているが、「プロジェクトを継続する」との回答はほぼ6割に達した。

 「日本の企業といえども、IFRSを無視して事業を継続することはできなくなる。導入先送りではなく、迅速な決断と意思表示が求められる」「大王製紙やオリンパスの(不正な会計処理の)例を見ると、IFRSの適用は致し方ないと思う。ただ、日本経済が長期低迷するなか、輪をかけてダメになるのではないかと心配だ」─。

 日経コンピュータが日経BPコンサルティングおよびIT総合サイト「ITpro」と共同で、ITプロフェッショナルを中心とするITpro会員4001人に調査した結果から、IFRSの必要性は認めつつも、対応に慎重な姿勢が浮き彫りになった。

 調査は2011年11月16~28日に実施し、有職者3827人を有効回答者とした。広くビジネスパーソンを対象にしており、半数がユーザー企業、3割がITベンダーに所属。16%がIFRS対応プロジェクトに関わった経験を持つ(予定を含む)。

 2011年の金融担当大臣発言をきっかけに、日本の上場企業に対するIFRSの強制適用は事実上の延期となった。この状況におけるIFRS対応の意識や現状を探るのが調査の狙いである。調査結果のポイントを見ていこう。

「連結会計」から見直す

 まず、IFRS対応プロジェクトに関わった経験を持つ回答者(以下、プロジェクト経験者)に対して、IFRS対応計画の状況を尋ねた。金融担当大臣による強制適用見直し発言以降、IFRS対応プロジェクトを延期または中止する企業が多いとみられていた。

 今回の調査では、「プロジェクトを継続する」との回答がほぼ6割に達した(図1)。「計画を変更していない」は2割に上り、「プロジェクトを完全に中止」は2.2%にとどまった。適用時期が見込みより延びたとはいえ、準備を怠らない企業の姿が浮かび上がる。

図1●IFRS適用スケジュールの見直しに伴い、自社のIFRS対応計画を変更したか
図1●IFRS適用スケジュールの見直しに伴い、自社のIFRS対応計画を変更したか