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写真1●FCCのジュリアス・ジェナコウスキー委員長の講演
写真1●FCCのジュリアス・ジェナコウスキー委員長の講演
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 CESでは、製品やサービスが集まる展示会以外にも、有名企業のトップによる講演や話題のテーマに関するディスカッションも充実している。FCC(米連邦通信委員会)委員長が登場するセッション「FCCのジュリアス・ジェナコウスキー委員長との対談」(One-on-One With FCC Chairman Julius Genachowski)もその一つ(写真1)。FCCは米国のICT戦略を担う組織であり、その代表である委員長の講演はCESの人気セッションになっている。

米国の優位性をどう築く?

 前回のCES2011の講演でジェナコウスキー氏は、モバイルブロードバンドの構築が「米国の産業振興と国際競争力の向上になる」と語った(関連記事)。それと呼応するかのように、展示会場などでは通信事業者が「4G」(第4世代移動体通信)の推進を競っていた。

 今回の講演でジェナスコウスキー委員長が訴えたのは、基本的には産業の振興ということで変わらない。特に、モバイルブロードバンドの推進が「新しい産業や雇用の源泉になる」ことが強調されていた。

 その主張を展開するのに引用したのが、国際コラムニストのトーマス・フリードマン氏がニューヨークタイムズに寄せたコラム。そこでは「米国は、将来の雇用を生み出す“周波数の優位性”のために、どのような計画を打ち出すべきか?」という課題が提起されたという。

 ジェナコウスキー氏は、この問いかけを議論するのにCESは格好の場だとし、フリードマン氏が言う「周波数によってもたらされた革新」は既にCESにあると語った。多くの無線通信機能を生かした製品が、展示会場にあるからだ。同氏は「周波数帯域が増えれば、出展されている多くの技術の価値も上がる」として、周波数帯域の重要性を重ねて強調した。

 さらに同氏は、Webブラウザーを開発した米ネットスケープ・コミュニケーションズを創業したマーク・アンドリーセン氏のコメント「帯域が増えれば、ソフトウエアの力が増す」を引用。いわゆる“クラウド”の広がりでネット越しに豊富なコンピューティング環境が利用できるようになったことで、創業や事業運営のためのコストが大幅に下がっているとし、米国政府の周波数戦略が雇用の源泉になっていると繰り返し述べた。

 ジェナコウスキー氏は、ブロードバンドを活用したコールセンター業務の推進プログラム「Jobs4America」(写真2)によって、今後2年間で10万人の雇用が米国内に生まれることや、アウトソースに対抗して国内に仕事を呼び戻そうという「Insourcing American Jobs Forum」(写真3)など、政府による雇用創出プログラムを紹介。さらに、大学間を結ぶネットワーク「Gig.U」を支援するなどして、さまざまな取り組みを通じて産業の活性化に取り組んでいることを紹介した。

写真2●ブロードバンドを活用したコールセンター業務の推進プログラム「Jobs4America」
写真2●ブロードバンドを活用したコールセンター業務の推進プログラム「Jobs4America」
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写真3●アウトソースに対抗して国内に仕事を呼び戻す会合「Insourcing American Jobs Forum」
写真3●アウトソースに対抗して国内に仕事を呼び戻す会合「Insourcing American Jobs Forum」
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