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 米Facebookが米証券取引委員会に新規株式公開の申請書を提出するなど、あらためてFacebookに注目が集まっている。日本でも昨年、Facebook利用者数が1000万人を超え、企業がマーケティングに使うといった用途も期待されている。そんななか、「僕は君たちに武器を配りたい」「武器としての決断思考」の著者でもある京都大学客員准教授の瀧本哲史氏と、「ソーシャルメディア進化論」の著者でエイベック研究所代表取締役の武田隆氏は、Facebookに対する期待値の高さに警鐘を鳴らす。「人材のコモディティ化」が進む中、ビジネスパーソンがソーシャルメディアを“武器”として活用するにはどうすればいいのか。前編は、両氏がFacebookをどうとらえているかを見ていこう。


京都大学客員准教授の瀧本哲史氏(手前)とエイベック研究所代表取締役の武田隆氏
京都大学客員准教授の瀧本哲史氏(手前)とエイベック研究所代表取締役の武田隆氏

武田氏:Facebookについて瀧本さんはどう思われていますか?

瀧本氏マーケティングでの利用については期待ほどはうまくいかないんじゃないかと正直思っていて、実際、東大でも卒業生向けのマーケティングにFacebookを利用しているものの、ユーザーの伸びは緩やか。他の大学、海外の大学でもFacebookやTwitterなどを利用してはいるが、それらから自分の大学のサイト内にあるネットワークに誘導する目的で使っている事例が多い。

 つまり入口はFacebookだけど、最終的には自分たちのネットワークに取り込みたいと思って利用しているのが現状。なぜそうなるかということだけれども、多分、Facebookの位置付けが中途半端なのかなと思っている。日本ではTwitterはすごく人気があるじゃないですか。フォローが容易で、匿名で登録できて、偶然の出会い的な要素もあって、さらに検索を通じて関心が一時的につながったりする。日本にはmixiのように主婦層などが昔から使い続けているSNSも存在する。Facebookのポジショニングは難しいところがある

武田氏:Facebookに対して楽観的な見方をするなら、ブラジルでは「Orkut」(米Googleが運営しているSNS。ブラジルやインドでのシェアが高い)が相当広がった。日本にmixiがあるようにブラジルにはOrkutがあるから、みんな「Facebookなんかやらない」と言っていた。ブラジル人の自由な風潮にも合わないと言われていたけど、今、ブラジルでもFacebookのシェアが上がっているんだよね。同じように「日本も伸びるんじゃないかな」という見方がある。

瀧本氏:Facebookがすごくうまくいっている国を挙げると、インドネシアがそうだよね。インドネシアでFacebookが何に使われているかというとショートメールのプラットフォーム。日本でも実際、僕にコンタクトを取ろうとして、名前だけ見てFacebookで突然メッセージを送ってくる人がいる。

 ということは、実はメールアドレスを名刺に書く必要はないわけそもそも名刺交換が不要。海外では結構「Facebookやってる」というとそれだけで挨拶は終了する。その後、Facebookでコンタクトが取れるから。