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 前編に続き、「僕は君たちに武器を配りたい」などの著者である京都大学客員准教授の瀧本哲史氏と、「ソーシャルメディア進化論」の著者でネット上のコミュニティを活用したマーケティングサービスを提供するエイベック研究所代表取締役の武田隆氏が対談。後編はFacebookだけでなく、マーケティングの側面から企業におけるソーシャルメディアの活用・効用に切り込む。


前編から続く

瀧本氏:Facebookのマーケティング活用という話に戻すと、メーリングリスト代わり、メールの代替物としてはうまくいっているけれども、ブランド構築といった方向ではあまりうまく行ってる気がしないんだよね。「いいね!」を押してもエンゲージメントは増えないから

※エンゲージメント:愛着感。自発的行動を促し、信頼感を醸成して売り上げや業績を上げるといった考え方。

武田氏:そう思います。Facebookでマーケティングが成立するかどうかは別にして、エンゲージメント、イコール「いいね!」の数と考えられていたりするんだよね。それは全然エンゲージメントにならないだろう、と。

瀧本氏:Facebookの「友達」にも同じようなことが言えて、「いいね!」数と同じように、「友達」の数が多いからといってそれがいいかどうかは別。やたらに増やすべきではないと思う。というのも、Facebookで人を調べるのはもはや常識。検索すれば共通の友人が誰かすぐ分かる。これは個人のブランディングにかなり影響する。「其の子を知らずば其の友を視よ。其の君を知らずば其の左右を視よ」(荀子・性悪編)じゃないけど、人物像が推定できるよね。

武田氏Facebookでできること、できないことがある、ということなんですよね。できることとして、瀧本さんは「メーリングリスト代わり」とおっしゃったけど、そこまでクリアな整理をしている人はまだ多くはない。Facebookには得意なことと苦手なことがあって、得意なことは「友達」同士でメーリングリスト的にグループを作ったり、リアルな知人とコミュニケーションを取るといった使い方。だけど、知人を超えたコミュニケーションは起こりづらい

 とすると企業がマーケティングにFacebookを活用しようと思ったとき困ってしまう。ユーザー同士の横のつながりが活性しないから、一人ひとりに対してインタラクションコストを払わないといけない。これがコスト高になってペイしない。

※インタラクションコスト:供給側、受け手側がものやサービスを交換するにいたるまでに発生する信用形成やコミュニケーションなどのコスト。

 そうすると、そもそも論だけど、Facebookは個人、とりわけ実名の知人同士がつながりあって1.5倍のいい生活をアピールすることで互いに関係構築をするメディアだとすると、やっぱり個人が輝くメディアだよね。そこに企業が入っていってもいまいちFacebookには合わないところがあるかな。

瀧本氏:リアルな知り合いの紹介しか信用しなくなるというソーシャルフィルタリングのような考え方もあるけどどう思われます?。

武田氏:これまでの我々の調査のデータを見てるとそんなことはないですね。一方で興味や関心でつながりあっている人のリコメンドは強烈に効いている