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 この連載では、Facebookを中心とした「ソーシャルメディア」を企業でどのように導入するかをテーマにしている。前回は「お客さま情報の収集」について説明した。

 ソーシャルメディアは手段であり、「まず、お客さまからどのような情報を、どの目的で収集するのか」をしっかり考える重要性や、「収集する情報のレベルを考えないといけない」ことも説明した。

 ソーシャルメディアは道具であり、使う人のリアルな仕事の優劣によって価値が変化する。「使う人がダメならソーシャルメディアもダメ」「使う人が優れていれば、ソーシャルメディアでさらに良くなる」というのが筆者の主張である。

 従って、ソーシャルメディアの優劣を語る前に、まず自分の考え方を振り返った方がよい。「ソーシャルメディアが悪いのではない、人間が悪いんだ」と筆者は考えている。

 今回は「ソーシャルメディアを使って評判を作る」がテーマである。これはソーシャルメディアを活用する上で常に誤解されやすいテーマである。結論から言うと「ソーシャルメディアを使えば評判になる」と誤解する人が多いが、正しくは「評判になるようなことは、ソーシャルメディアではさらなる評判を産み、結果、大きな評判になりやすい」ということだ。

 「リアルの評判がダメならソーシャルメディアもダメ、リアルの評判がちゃんとしたものなら、ソーシャルメディアで広がっていく」のであって「ソーシャルメディアを使えば何を発信しても評判になる」とはいかない。「ちょっとソーシャルメディアで評判を作ってみよう」という生半可な気持ちで取り組むと痛い目にあうから注意してほしい。

 では、事例を使って説明しよう。

評判作りを丸投げする

 A社は健康食品の製造販売業を営む創業100年を超える有名中堅企業である。A社の商品のコンセプトは、「安全、長寿、生活習慣を改善して豊かな、幸せな暮らし」というものであり、特に命、愛、子供の未来、人生を強く生きるなどをテーマにしたブランディングをしてきた。

 特に、東日本大震災が発生した際には、A社の社長の素早い意思決定により、いち早く被災地への食料物資の納入と現地で炊き出しを指示し、そのスピードの速さがソーシャルメディアでも話題になった。

 特にTwitterではA社の判断が「英断」とされ、非常に多くのリツイートを呼んだ。この結果、A社に続いて支援する同業他社も多く現れ、マスコミにも紹介され、一定期間この業界の企業と顧客の間ではA社の行動は高く評価されることになった。

 これに最も驚いたのは、A社経営陣自身だった。もともとA社ではソーシャルメディア使っておらず、今回の支援も評判を狙ったものではなかった。