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 ビッグデータの活用支援を目的に、IT各社で専任組織の立ち上げが相次いでいる。NECはこの2月、全社横断的に人材を集め、50人の戦略プロジェクトを発足。伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は昨年12月に、15人からなる推進部門を設置した()。

表●ビッグデータ専任組織を発足、強化するITベンダーの例
表●ビッグデータ専任組織を発足、強化するITベンダーの例

 これまでも、データ活用を推進する専任組織を置くITベンダーはあった。最近になって動きが活発化してきたのは、ビッグデータに関心が集まってきたからだ。分析支援ツールや高速処理製品も充実してきた。一方で、顧客にとって価値のあるデータ活用法を提案できる人材が不足していることが、課題として浮かび上がってきた。

 IT各社が育成を急ぐのが、「データサイエンティスト」と呼ばれる人材だ。顧客が抱える多種多様で膨大なデータを分析し、ビジネスに有益な知見を導き出す。分析手法や統計ツールを駆使できるとともに、顧客の事業領域に通じていることが求められる。

 NTTデータは2月15日、データマイニングや分析コンサルティングサービスなどを手掛ける数理システムの買収を発表。技術や人材をビッグデータ関連事業で活用する。それと並行して、事業部の若手エンジニアをデータサイエンティストとして育成する取り組みも行う。今年度は5人、来年度は10人の育成を予定する。CTCは海外ベンダーへのインターンシップなどを通して人材育成を進める計画だ。

 ベンダーやユーザー企業の人材育成を支援する動きも始まる。EMCジャパンは、4月から、データ分析に必要なスキルや業界ごとの分析手法を5日間で教育するサービスを開始する予定。受講料は30万円。講習では、統計ツール/プログラミング言語である「R」やSQLを使用するため、それらの使用経験者であることが前提となる。

 人材育成と合わせて、チームで顧客に有効なソリューションを提供することを目指すのがNECだ。同社は、顧客の事業に詳しい営業部門と、データ分析力に長けた研究開発や製品部門の要員を、専任組織に集めている。日本ヒューレット・パッカードは、コンサルティング要員を中心に、ビッグデータ活用の企画からシステムの導入、運用までをワンストップで支援する専任組織を設けた。

 ビッグデータ活用支援は、IT各社にとって大きなビジネスチャンスだ。顧客の要望に応えられる組織や人材をいち早く準備し、信頼を勝ち得たベンダーが有利なことは間違いない。