PR

「ビジネスプラン」と「ビジネスモデル」は違う

大企業が作成するビジネスプランと、スタートアップが探求するビジネスモデルとはどのように違うものなのでしょうか。

 ビジネスプランは、大企業にとってはすばらしい文書です。つまり、2番目、3番目、4番目、5番目の製品を作る場合において、ということになります。なぜなら、ビジネスプランというのは、マーケットや顧客、価格についてたくさん知っていることを前提としているからです。しかし、スタートアップ企業ではそれが十分に分かりません。それにもかかわらず、ビジネスプランを書くことを強要していたのです。

 ですから、基本的には私の役割は、MBAが習得したのと同等の、起業家向けの新しいカリキュラムやツールを発明することです。ビジネススクールをBスクールと呼ぶなら、私の発明は起業家(Entrepreneur)向けのEスクールということになるでしょう。

 これがとても面白かったのは、シリコンバレーでは技術だけでなく、教育に関しても起業家精神にあふれていたことです。私は、カリフォルニア大学バークレイ校やスタンフォード大学で機会を得ました。そのときに言われたのはこんなことです。「起業家向け教育を再発明したい?いいでしょう。おもしろい考えです。でも、私たちは既存のクラスをキャンセルするつもりはありません。その代わり、あなたの考えが受け入れられるか、あるいは見向きもされないのか示してください」。

 私がとても幸せだったのは、どうやら私のやり方は正しかったということです。それが証明されたことの一つは、連邦政府の全米科学財団(NSF)から声がかかったことです。

NSFとの関係は、あなたのブログで知りました。「I-Corps」のことですね(写真2)。

写真2●NSFの「I-Corps」のホームページ
写真2●NSFの「I-Corps」のホームページ
[画像のクリックで拡大表示]

 そうです。NSFは全米の大学を対象に、医学以外の研究と科学に投資しています。その金額は年間で70億ドルにも達します。NSFは、科学者や技術者に対して技術の商用化を教えるのは今だと考えました。過去30年間のなかで、このやり方がベストだと言ってくれました。最高にうれしいですね。

 これはお金のためにやっているんじゃないんです。アイデアのためです。私は自分のアイデアが現実になって、それが起業家を動かすことがうれしいのです。少なくともここシリコンバレーでは、エンジニアであればほとんどの場合、10億ドルを儲けようと思って仕事をしていません。10億人の利益のために仕事をしているのです。私が起業家教育に取り組んでいるのも同じ理由です。そこから利益を得るのではなく、文化を変えたいのです。エストニアやロシア、ブルガリア、日本などで同じようなクラスが行われていると聞いて、私はとても嬉しく思っています。