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ペン入力や5インチ級画面など新ジャンルの端末も

 LTEによって上り速度がアップすることも、スマートフォンのユーザー体験を変えていく原動力になる。前回の最後でも触れたが、現在のスマートフォンはカメラの画質やデータ加工に必要な処理性能の向上に伴って、高品質の動画などユーザーのオリジナルコンテンツを端末単体で作り出せるようになっている。さらに上り方向の通信が高速化することにより、端末上に蓄積したそれらのデータをSNSにアップロードして友人・知人と共有したり、オンラインストレージ上に保存しておくための所要時間も短縮される。

 こうした動きを後押しするようにグローバル市場では、スマートフォンの“常識”を覆すような製品が登場している。韓国Samsung Electlonicsが2011年10月から順次発売している「Galaxy Note」だ(写真1)。専用のスタイラスペンによる手書き入力をサポートしており、ユーザーが自分で図柄やメモなどを書き込める。このデータもやはりユーザー自身が生み出したコンテンツだ。Galaxy NoteはLTEに対応しているので、端末上のコンテンツをストレスなくクラウドや他のユーザーとやり取りできる。

写真1●5.3インチ液晶とペン入力機能を備えた「Galaxy Note」
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 同製品のもう一つの特徴が、約5.3インチで1280×800ドットと高精細のディスプレイである。これにはもちろん「画面に表示できる情報量が増える」というメリットもあるが、片手で保持しながらペンで入力しやすいぎりぎりのサイズとも言える。

 これまでのスマートフォンは3インチ台から4インチ台が主流。5インチ画面を採用した機種も一部にあったものの採用は広がらなかった。だがペン入力を前提にした場合、ユーザーが画面に思い通りの図柄を書き込むには画面が大きければ大きいほど良い。ただしタブレットのように7~10インチ前後になってしまうと片手で持つのが難しくなり、そもそも気軽にペン入力できなくなってしまう。5インチ級のディスプレイはこうした問題を解決する良い”落としどころ”とも言えそうだ。

 なお5インチ級ディスプレイを採用した製品は徐々に増える見込み。例えばNECカシオモバイルコミュニケーションズは2012年中をめどに、海外市場で5インチサイズのスマートフォンを投入する方針である(写真2)。

写真2●NECカシオモバイルコミュニケーションズが海外市場に投入する5インチ級スマートフォン
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 下り方向の通信速度が高速化することで、ユーザー体験がどう変わるか。最後にこの点にも触れておこう。米GoogleはLTE時代を見越して、コンテンツフォーマットの容量を見直し始めている。その一つは「Google Play Store」(旧Androidマーケット)におけるAndroidアプリの上限を50Mバイトから4Gバイトに緩和したこと。同社が3月5日付の開発者向けブログで明らかにした。3D映像を多用したゲームなどのコンテンツでの利用を想定している。このほかAndroid 2.2/2.3用のYoutubeアプリをHD(ハイディフィニション)配信に対応させている。

 大容量コンテンツをスマートフォンで入手する場合、従来は3G回線が使えず、無線LANを利用するのが基本だった。LTEなど高速通信機能を搭載した端末であれば、好きなときに好きな場所で大容量コンテンツを楽しめるようになる。もちろん、そうしたユーザーが増えれば増えるほど通信インフラにも多大な影響を及ぼす。そこで通信事業者各社はインフラ絵の影響を抑えつつ、LTEなどの通信サービスと無線LANをシームレスに切り替えることでいつでも同じようなユーザー体験を提供できるようにしていく方向にある。この点については本特集の第5回で述べたい。